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手紙

手紙

誰かからもらった手紙はなぜかどうしても捨てられない。

プレゼントに迷うくらいなら手紙が欲しいなと思う、誰かが書いた文字は何となく
愛おしく見える、それが赤の他人だったとしても。

私は手紙を書ける相手がいる状態がすき、恋人がいるときは毎月記念日には手紙を書くし、記念日以外にも置き手紙や何となく可愛くて買ったメッセージカードに
つらつらと愛の言葉を書き連ねる。

別に正直渡すとか渡さないとかどうでも良くって、
手紙を書きたいってことは、自分の気持ちを相手に伝えたい、
わかって欲しいと思う相手がいるという証拠なのであって、その事実がまず私を
嬉しい気持ちにさせるのだ。

手紙を書いていると、とんでもないところに行き着くような
時もあって、何を伝えたいとか考えずに書き出すものだから気づいたら訳のわからない
宇宙の始まりの話や、時計のパーツを海にばら撒く話、
そしてとうとう納豆茶漬けの話までしてしまっていることがある。

先の見えない、自分でもどこに向かってどこに辿り着くのかわからない
状態がとても楽しくてよくよく考えてみれば独りよがりなのかも
しれないけど、でも楽しいから仕方がない。

そんな風に手紙を書くものだから私の部屋には渡さなかった手紙が沢山ある。

気持ちが溢れたら書きたくなる、
ブログや日記じゃなくて手紙なのは、この内側からフツフツと
湧き上がってきた感情は紛れもなく誰かに向けてのものだから。
あと、見られる前提で書くものってきっとちょっと自分の心の中の温度よりも
冷めてるだろうし、誰かに向けた感情くらいアツアツでいたいのだ。

スマホやパソコンを使って書くことが増えたし、それが当たり前のようになってきてる。

でもやっぱり、誰かがペンを持って書いた字は愛おしい。手紙がすき。

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