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校長先生の「子供に資本主義の現実を叩きつける」お話

✳︎これはフィクションです。

次は校長先生のお話です。校長先生お願いします。

校長先生「いいですか皆さん。やる気のない人間に誰かが構ってくれるのは義務教育までです。この世界では、自ら学ぶ姿勢のないものは誰からも助けられず、誰も助けることはできません。

ではなぜ今あなた方子供達は誰かに助けられ、健康的な生活ができているのかというと、それはこの国に「か弱い子供の幸せを守ってあげましょう」というくだらない宗教が根付いているからです。

その教えを盲信したあなた達の親達が社会に何らの価値を提供しないあなた達に温かい飯を与え、綺麗な服を着させ、快適な住まいを提供しているのです。

するとどうでしょう。何も知らない、頭の悪いあなた達は「なぁんだ、特に何か苦労しなくてもこの世界は私たちに幸せを運んできてくれる。きっとそれだけこの世界は素晴らしいもので、私はこの世界で幸せになるべくして生まれてきたのだ。」と錯覚するのです。

ですが、これは大きな間違いです。あなた達は、誰かにこき使われ、誰かの幸せを作り出すために誰かから生まれてきたのです。

そしてあなた達は高品質労働者養成訓練所たるこの学校の教育カリキュラムを通して、人様に迷惑をかけずに上からの命令に素直に従う立派な産業ロボットへと成長します。大きな声で返事や挨拶ができるロボットは使っていて気持ちが良いものです。

なので特に勉強をしなくてはいけない理由はありません。むしろ頭が悪くて知識を持たない人間の方が社会としては使いやすいので勉強ができない方が望ましいです。

ではなぜわざわざ勉強を教えているのかというと、一応国民に教育を与える制度がないといろいろ文句を言われるからです。

この世界について学ぶというのは幸せになるための唯一の手段ですから、その幸せになる機会が平等に与えられていないと、不幸な人間を自業自得だと言って黙らせることができないのです。

さて、国民が等しく幸せになれる機会を与えるという建前の平等は用意できましたが、もしみんながその機会をきちんと利用して幸せになってしまったら、もうすでに幸せである人間が幸せではなくなってしまいます。この世界の幸せの総量には上限がありますから。

そこで我々は考えました。機会は与えた上で、それをあまり多くの人が利用しない方法を。

それは、その機会を利用するメリットを教えないことです。

皆さんも分かるでしょう。一体それが何で何のためにあるのか分からないもをわざわざ手にしてみようとは思わないですからね。勉強は教える。でも勉強するメリットは具体的には教えない。これで勉強する人の数はある程度抑えられるでしょう。

あとは子供にやりたくもない勉強を無理やり押し付けることで、苦手意識を植え付け、実際に社会に出てやっぱり勉強が必要だったと気づいた時にはもう手遅れ、しかも植え付けておいた苦手意識が上手く働いてそこからも新たに勉強しようとは思わないという誰からも文句を言われない自業自得に守られた教育システムの完成です。」

生徒「校長先生!結局じゃあ勉強するメリットってなんですか?」

校長先生「疑うことができるようになることです。

今自分が置かれた状況がおかしいと言えるようになることです。

人から押し付けられた正しさを間違っていると言えるようになることです。

今あなた達が我々教師から何かを命令されても従うしかないでしょう。なぜなら教師が振りかざす正しさの間違いを指摘できないからです。

勉強をすればその程度の間違いを指摘するくらいはできるようになるでしょう。

ですが先ほど言った通り、現状あなた達は不幸になる運命にあります。

その運命をどうするかはあなた達の自由ですが、私達は皆さんに何とか幸せになってほしいので、皆さんのために一生懸命労働します。

義務教育が終わるまでは。」

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