フランス一人旅 ◆ 徒然なる思い出
何となく思い出したから書くことにする。
27歳の時、ボーッとクラ○ツーリズムのサイトを見ていた。
そこに、フランス一人旅限定ツアーのパッケージがあった。
フランスは行ったことのない国で、しかし特にマークしていた国ではない。
だが、旅程的に数日有給を取れば参加できそうである。
休める日程が限られている会社員たるもの、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はツアーに申し込むことにした。
私はクラブ○ーリズムの一人旅限定ツアーはおろか、今までゴリゴリの団体ツアーで海外に行ったことが一度もない。
今回の一人旅限定ツアーは、全員が一人参加である。
尚且つこのときのツアーは、女性限定だった。
事前情報によると、私はダントツの最年少で、大体の人が50代以上らしい。
まあそんな中では明らかに浮くだろうし馴染めないだろうけど、フランスを一人で楽しめれば全然オッケーだな!
という心持ちで渡航当日を迎えた。
実際参加してみると、全員が一人参加ということもあり、みんな適度な距離感で各々旅を楽しむ、という雰囲気だった。
参加者で何となく仲良くなった人とグループで行動する人もいれば、単独行動を好む人もいた。
そして私はというと、意外に馴染んだよね〜。
全員一人旅ツアーに参加するくらいの海外旅行好きなので、私が今まで行った国での話にすごく興味を持ってくれた。
50〜70代の人と、あんな風に友達みたいにフランクに話したことは後にも先にもあの時だけである。
フランスは電車内にスリがめちゃくちゃ多い。
実際このときのツアー参加者の中にも、何も盗られなかったがスリに狙われた人がいた。
電車内ではみんなすごく気を張っていて、4人がけのボックス席が空いたので、やっと少しホッとしながらツアーメンバーとそこに座った。
「海外ってスリも多いし、危険なことも不便なことも多いのに、なぜか日本に帰るとまた海外行きたい!!!ってなるのよね〜」
と一人が言って、みんなで
「分かるー!!!!何でだろうね!!!!」
と共感した。
何歳になってもやっぱりみんな同じなんだなあと、ちょっと嬉しく思った。
参加者の中に、70代の方が二人いらっしゃった。
二人ともフランスが好きで何度も来ていて、
「体が動かなくなるまで、できる限り海外旅行したい。」
とおっしゃっていた。
海外旅行って体力も相当いるし、お金もかかる。
日本より治安の悪いところも多いから、気も張っていなきゃらいけなかったりする。
それでも、もう疲れるから国内旅行でゆっくりしよう〜とならずに、
好奇心を持ち続けて海外を旅する生き方が物凄くかっこ良かった。
私もこういう風に歳をとっていきたいなあと思った。
フランスはとても素敵なところで、綺麗なものをたくさん見ることができた。
でもそれと同じくらい、歳の離れたツアー参加者と友達みたいに話したいろいろなことが、大切な思い出として記憶に残っている。
別に特別すごいことは何も話していないのにね。
最後はみんなサラッと、また世界のどこかで会えたらいいねー!と言って別れた。
そういうサラリとしたところが、私にはすごく心地良かった。
みんな元気にしてるといいな。
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