Hikari Mizobuchi

スペインに留学していた組織開発コンサルタント

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  • 西洋美術史

    西洋美術に関する記事を気ままに書きます。主に自分の学習・備忘録です。

最近の記事

コロナ禍で迎えた大学の卒業式

こんなご時世だけれども9年前の3/11は、中学2年生の社会科見学でした。川越の菓子屋横丁で、クラスの誰がかわいいとか話してたら地震が来ました。 親族は東北にいませんし、直接大きな悲しみがあったわけではありませんでしたが、子供ながらに「こんなことってあるんだな」と思いました。 さて最近、コロナが話題です。 11年通った慶應義塾の大学の卒業証書を親に持たせて、新しくなった日吉の会堂で、紺と赤に染めた髪の毛で家族写真を撮ろうと思いましたが、叶いませんでした。 去年本当に楽

    • 死に苦しむ人間の姿を描いた真理は?死生観を問われる作品-『死の勝利』 ピーター・ブリューゲル

      イントロダクションプラド美術館に所蔵される歴史的名作『死の勝利』。 ペスト(黒死病)が大流行した当時のヨーロッパの「死に対する恐怖」を表現しています。 美術史家の森洋子さんは著書『ブリューゲル探訪 民衆文化のエネルギー』の中で、「死を記憶せよ(メメント・モリ)」という中世の世界観を表現している点を評価しつつ、同時に、自然災害・テロリズム・エイズなどの現在の混沌とした現代社会にも教訓を示す作品だと評価しています。 ブリューゲルはなぜこの絶望的な作品を描いたのか?そしてこの作

      • 作品解説:デューラー 『アダムとエヴァ』

        プラド美術館ラバーのみぞぶちが勝手に作品を解説していきます。 まず、プラド美術館において順路は存在しないのですが、一番近い1階の入り口から順番に見ていくとなると、特に彫刻類ではなく絵画を見ようとする人ほど、一番最初に出会うのがこのアダムとエヴァです。(部屋番号54) ちなみに2階のメインストリート入り口付近には、ルーベンスが描いた『アダムとイブ』があります。 (プラド美術館のルーベンス作品についてはまた機会があるときにガッツリまとめたい素敵な作品ばかりです。) 話を戻

        • 作品解説:ボッティチェリ 『春』

          ボッティチェリ制作の『春(Primavera)』は、世界史や美術の教科書、はたまたサイゼリアのかべに登場する単なる有名な絵ではない。 当時のフィレンツェを物語る、政治的意図がたくさん込められた作品である。その超大作『春』の制作年・注文主・描写・政治的意図などを紐解いていく。 ※試験勉強の延長なので画像は挿入する時間がありませんでした。2月に入ったら、読みやすくするために適宜画像を挿入予定です。コメントいただければ、その点についても追記します。 時代背景そもそもこの作品が

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          イタリア戦争(1494年〜1559年)

          世界史・西洋美術史を勉強すればするほどに知りたくなるイタリア戦争を軽めに紐解きます。完全に自己満足です。登場人物ごとの解説などはまた追って。 ちなみにサムネイル画像は『カール5世のアントワープ入城』(ハンブルグ美術館所蔵)。作者は代表作『五感(Les Cinq Sens)』で知られるハンス・マカルト。クリムトにも影響を与えた。 このnoteでの登場人物イタリア  ・大ロレンツォ(ロレンツォ・デ・メディチ)  ・ロレンツォ2世(大ロレンツォの孫)  ・イル・モーロ(ミラノ公

          イタリア戦争(1494年〜1559年)