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作品解説:デューラー 『アダムとエヴァ』

プラド美術館ラバーのみぞぶちが勝手に作品を解説していきます。

まず、プラド美術館において順路は存在しないのですが、一番近い1階の入り口から順番に見ていくとなると、特に彫刻類ではなく絵画を見ようとする人ほど、一番最初に出会うのがこのアダムとエヴァです。(部屋番号54)

ちなみに2階のメインストリート入り口付近には、ルーベンスが描いた『アダムとイブ』があります。

(プラド美術館のルーベンス作品についてはまた機会があるときにガッツリまとめたい素敵な作品ばかりです。)

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話を戻すと1507年にアルブレヒト・デューラーによって描かれた本作品は、プラド美術館の中でも有数のドイツ絵画です。

この2枚1組の作品は聖書に基づく主題である他に、デューラー自身が裸体画や人体比率に関して強い関心を持っていたことも示しています。

デューラーは二度のヴェネツィア遠征を経て、イタリア絵画独特の理想主義を生かした甘美な雰囲気と体系美が特徴的です。

1507年は、イタリアにてボッティチェリが活躍した後、レオナルドダヴィンチやラファエロが台頭している時期です。

1519年に亡くなるダヴィンチの影響はイタリア国外にも少なからずあったと考えられ『正確に人体を捉え、美しく描く』ことにデューラーが憧れを抱いていたのかもしれません。

ルネサンス期の絵画の特徴でもある「コントラスト」も感じます。圧倒的な肌の白さに対して、背景を真っ黒にすることで、肌や二人の体の美しさを強調しています。これはイタリア絵画における「キアロスクーロ=明暗法」という技法をさらに応用させていると考えられます。

ヴェネツィア派は、デッサンを重視したフィレンツェ派とは異なり、画面の色を使って構築し、流動的で詩的な雰囲気で人間の感覚に直接訴えかける効果を追求しました。

一旦終わり、試験後に編集。すいません。

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