個人ブランドを軌道に乗せるためにやったこと
自分が好きなもの・ことを仕事にして、誰かにちいさな幸せや笑顔を届けることができたら。そう思って始めた自分のお店やサービス。でも、軌道に乗せるまでがなかなか難しいと感じる人も多いと思います。私もそう思っていたひとりでした。
私が運営するhikari livingは、シーグラスを使ったアート作品や結婚証明書をお届けしているブランドです。制作からSNS運営、発送業務までをすべてひとりで行っています。現在の月の売上は20~40万円ほどです。
この記事では、web shopをオープンしてから約1年間で、ブランド運営を軌道に乗せるために私が取り組んできたことをまとめました。個人ブランドを軌道に乗せて、楽しみながら営んでいきたいと思う人にとって、何か参考になれば嬉しいです。
1|知ってもらう
まだ誰も知らない、小さなブランドを軌道に乗せるため一番大切なのが、「知ってもらう」ことです。良い商品や想いがあっても、知ってもらえなければ届けることはできません。私も最初は特に、「知ってもらう」ことに重点を置いていました。
オープンまでの過程を発信
これまでやって本当に良かったと思うことの一つが、オープンまでの過程をSNSで発信することです。私はweb shopをオープンする約2か月前からInstagramで発信を始めました。
コンセプトも未完成で、作品もまだ数点しかできていませんでしたが、オープンするまでの道のりを発信していました。投稿内容は、お店を始めようと思った理由や、お店の名前が決まるまでのこと、大切にしたい想いやこだわり、今の悩みなど。
ありのままの過程を見せることで、少しずつ共感してくれる人や応援してくれる人が増えていったように思います。オープン前の不安な時期に応援してくれる人がいたことは、大きなモチベーションにもなりました。
不完全な状態を見せることに最初は抵抗もありましたが、少しずつカタチになっていく様子を一緒に見守ってもらうことができたので、オープン前から発信をはじめて本当に良かったと思います。
広告を上手く活用する
SNSを始めたばかりでフォロワー数が少ないときは、通常の投稿だけでは、なかなかブランドの認知度を広めていくことは難しいと思います。そこで、私はInstagramの広告機能を使っていました。
金額や期間も決められるので、予算を決めて広告を打つことができます。なかなか自力でフォロワー数を増やすのが難しいと感じたり、この投稿は多くの人に見てほしいと思ったりしたときに広告を活用していました。
私の場合は、2~3週間に5日間くらいの頻度で、一回約3,000~4,000円を使っていました。広告を見てフォローしてくれる人が思ったよりいたので、初期の頃にブランドの存在を知ってもらうのに役立ちましたし、今でも定期的に活用しています。
見つけてもらいやすいプラットフォームで始める
web shopを始めるときは、どのプラットフォームで販売するかも大切です。私はハンドメイドの販売サイト、Creemaを使っています。Creemaを選んだ理由は、Creema内の検索機能でみつけてもらえたり、特集にピックアップしてもらったりすることで、多くの人に知ってもらえると思ったから。
Creemaを選んで良かったことはこちらの記事にまとめているので、詳しく知りたい方はどうぞ。
2|信頼してもらう
知ってもらうことができたら、次は信頼してもらうことを意識します。無名のフォロワー数も少ないブランドは、ちゃんと安心できるブランドか、不安に思う人もいると思います。信頼してもらうために、次のことに取り組みました。
コンセプトを軸に活動する
まず大切なのは、コンセプトを決めて、そのコンセプトを軸に活動することです。hikari livingの場合は「暮らしと地球にやさしい時間を贈る」をコンセプトにしています。
SNSの発信や作品は、コンセプトから大きくずれないように気を付けます。「やさしい時間」を大事にしているので、写真や言葉もやさしい雰囲気になるように。全体のトーンに統一感を出すことで、”hikari livingらしさ”をつくり、安心してもらえるよう心がけていました。
「人」がつくっていることを感じてもらう
どんな人がつくっているのかを伝えることも意識していました。つくり手の顔や想いが見えると、身近に感じてもらえたり、安心感を持ってもらえたりします。
無理に顔出しをする必要はないと思いますが、その場合は自分の人柄や想いを伝える工夫が必要です。
丁寧で誠実な対応を
注文やお問い合わせがあった時は、ひとつひとつ丁寧で誠実な対応を心がけていました。「頼んでよかった」「聞いてみてよかった」と思ってもらえるように、ささいなことでも真摯に対応します。届いたときに喜んでいただけるように、梱包も心を込めて。
他にも、お客さんがレビューを書いてくださったら、すべてに返信するようにしています。ちいさなブランドだからこそできる、一人一人への丁寧であたたかみのあるやり取りを積み重ねることを大切にしています。
お客さんの声を届ける
お客さんからレビューが届いたら、返信するだけではなく、その届いた声をシェアすることも大事です。お客さんの声は、店主の声より説得力があることもあります。
もし購入を迷っている方がいたら、他のお客さんのレビューを見て少しでも安心してもらいたいので、お客さんからいただいた反応は、誰でも読めるようにInstagramのハイライトにまとめるなどして、見やすい場所に置いています。
3|身近に感じてもらう
少しでもみなさんの暮らしのなかで身近に感じてもらい、関係性をつくっていくために、次のことも大切にしています。
SNS更新を途切れさせない
私の場合、Instagramは週に3回ほど投稿し、ストーリーズはなるべく毎日上げるようにしています。どんなに忙しくても、一週間に一回は投稿するようにして、SNS更新を途切れさせないように気を付けています。
更新が途切れて、忘れたころにまた更新する……ということを繰り返してしまうと、見てくださる人との良い関係を築くことは難しいと思うからです。「毎日忙しいみなさんの暮らしの片隅に、少しでも存在を置いておいてもらえたら嬉しいな」という気持ちで、SNSを通して、日々お客さんとちいさな接点を持てるよう心がけています。
何気ないコミュニケーションを大切にする
お互いに心地いいコミュニケーションを取ることは、お客さんやフォロワーさんとの関係構築に繋がります。
なので、SNSでは商品の情報やお知らせだけでなく、挨拶や何気ない話をすることも大切にしています。一方で、プライベート過ぎる話はしないように気を配り、ほどよい距離感を保つことも心がけています。
4|楽しんでもらう
ある程度知ってもらうことができて、信頼関係を築けてきたら、次は「今より少し楽しんでもらえること」を考えます。
商品のラインナップを増やす
例えば、商品のラインナップを増やすこと。ブランド運営に少しずつ慣れてきたら、新しい商品をつくるなどして、少しずつ展開を広げていきます。
新しいものをつくるときに気を付けたいのは、ブランドのコンセプトに合っているか?ということと、お客さんが喜んでくれそうか?というところ。
hikari livingの場合は、オープンして半年後くらいにシーグラスと廃材を組み合わせたオブジェを発売しました。それまではシーグラスアートと結婚証明書が主な商品で、どちらも価格帯が高めだったので、500円と低価格の商品を制作。web shopやマルシェでも人気の作品になりました。価格帯が偏っている場合は、新たな価格帯の商品をつくってみるのもおすすめです。
イベントに参加・企画する
盛り上がりや楽しみをつくるために、イベントに参加したり、企画したりするのも有効です。hikari livingも、定期的にマルシェに出店しています。
イベントがあると、数日前から準備の様子を発信したり、当日のリアルな様子を伝えられたりと、いつもとちょっと違う流れが生まれます。すると新しいお客さんが増えたり、いつもより注目が集まったり。
何より、普段web shopで販売をしている人にとって、お客さんと直接会話をして、作品をお渡しできるイベントはとても楽しい時間です。その楽しさが循環して、普段のブランド運営にもいい影響を運んできてくれます。
違う届け方を考える
ブランド運営が単調になってきたなと感じたら、メリハリをつけるためにも違う届け方を考えてみるのもおすすめです。例えば、SNSの投稿デザインを変えてみたり、ラジオやnoteなど、新しい発信を始めてみたり、委託販売などで、届ける場所を増やしてみたり。
やみくもに新しいことをしようと考えるのではなく、この場合もコンセプトに合っていることと、お客さんが喜んでくれることが両立できる方法を考えてみましょう。私もnoteで発信を始めたり、SNSの投稿デザインを変えてみたりと、まだまだ試行錯誤の最中です。
楽しみながら続けるために
ブランドが軌道に乗るまでは、もどかしかったり、落ち込んでしまったりすることもあると思います。私もなかなか上手くいかずに落ち込んだ時期がありましたが、地道に試行錯誤を続けているうちに、自分に合った道が見えてきました。
自分自身が楽しみながら続けていくためにも、大切なのは無理をしないことだと思います。スケジュールを決めすぎない、休みをしっかりつくってリフレッシュする、自分の心に正直に、「やりたくない」と思うことは思い切ってやらない選択をするなど、楽しく続けるための工夫も大切です。
自分が楽しんでいれば、それが見ている人にも伝わり、きっと心地のよい循環が生まれていくはず。
みなさんのものやサービスが必要な方へ届き、楽しく健やかにブランドを運営していけますように。
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シーグラスアートのお店『hikari living』
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