見出し画像

後継者と取り巻きの育成

後継者とその取り巻きを育てない経営者は経営者の資質に劣ると言えるでしょう。

人は誰もが老い、そして寿命を迎えます。
組織を作り、自分の代が終わったら畳むつもりではないならば、後継者を育てておくことは経営者の役割であり重要な責務です。

よくあるカリスマ創業者の死去による組織の大混乱、お家騒動、これはカリスマに巣食うシロアリのような幹部連中が招く人災です。その人災の根源は経営者にあります。その幹部を任命し、任せてきた責任があるからです。

総じて幹部連中はイエスマンか、上っ面だけ従っているフリをしてカリスマの威を借りて自分の好き勝手やってきていた人でしょう。幹部連中の顔ぶれや立ち振る舞いを見れば、どのような経営をやってきたかはわかります。組織のためか、自分のためか。

代替わりを上手にやっている組織は、経営者が常に自分がいなくなった後のことを考えており、後継者選定だけではなく幹部の人選もしっかりと行っています。そして後継者となる身内には厳しく、支える幹部や他のスタッフへの配慮があります。

もう一点、決して自社のスタッフを貶すようなことは言いません。これは自分の組織作りそのものへの自己評価ですから。スタッフを信頼できないひとが組織運営をしてうまくいくはずがありません。

二代目、三代目と親族が継ぐケースで失敗が多いのは、ほぼ幹部の人選の誤りです。そしてスタッフへの配慮のなさです。

前述したような保身の害悪しか招かない幹部連中を登用していますから、絶対的権力を持つカリスマがあの世に行ったら好き勝手ということになるのは必然です。

信頼できる人に任せるのではなく、身近にいる扱いやすい物わかりの良さそうな人に任せると失敗します。また、信頼せずに疑心暗鬼で肝心なことを隠蔽したり任せないのも失敗する要素です。

失敗する組織には共通項があります。うまくいくケースは、組織やカリスマ経営者や後継者により異なるのですが、失敗する組織がやってしまうことをやらないという共通点があります。

これからの時代は経営者はカリスマではなく、優秀なプロデューサー、コーディネーターという影武者的な人が適しているのかもしれません。

なぜなら、一人で実現できない、解決できない規模の問題や課題を解決していくことが組織に求められるからです。

個人が活躍できる時代でもあり、個人でよければ組織は要りません。組織でないとできないことをやるのであれば、一人の天才的カリスマよりも組織を機能的に動かせる人の方が良い結果を導くでしょう。

何を目的にするか。ここを外さずに組織である必要があるのであれば、ここにある留意点でまずは今の状況を判断してみると良いかもしれません。

著者:原田光久(ひかりば 代表 / コミュニケーション・プランナー) ●社会問題解決アドバイザー、新規事業開発・地域創生・経営支援 ●行政・教育機関・民間企業で研修・講演・IT推進をサポート ●連絡先:harada@hikariba.com