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コミュニケーショントラブルの原因

xxしたつもりなのに、、、よくあるトラブルの原因です。双方の"認識違い"です。

伝えたつもり、言ったつもり、(完全に)やったつもり、終わらせたつもり、やまざまな"つもり"がトラブルを招くことがあります。

人間関係のトラブルの多くは言葉によるトラブルがきっかけと言われています。これは当たり前です。人は百人百様、自分と全く同じように考える人などこの世には存在しないのですから。

情報モラル講演や研修においても必ず伝えているコミュニケーショントラブル、子供たちよりも今は大人の方が深刻かもしれません。自分と全く同じ考え、思考、価値観の人はいないということを知っているのに理解できていないとしたら危険です。子供は頭が柔らかいので軌道修正がしやすいのですが、大人は簡単には修正が効かないからです。

特に学歴があったり、経験値が高い人が陥りがちです。自分は分かっている、経験したことがある、イメージがあるからということで、言葉の端々を端折ってしまうのです。そして専門用語を多用し、自己完結しているのです。ある種の自己満足でもあります。分かっているが故に自分では丁寧に話したつもりになることもあるでしょう。知らない人からしたら全くわからない、別の意味で捉えているにも関わらずです。

これは知識や経験が豊富な人ほど陥ります。真の専門家と言われる人でも、コミュニケーションに対する理解が十分でないと陥ります。各カテゴリーでの専門は数多くいますが、コミュニケーションに関してはプロは少ないですし、プロでもミスを犯します。相手がある話だからです。

コミュニケーションの理解が深い人は、どんなに注意深く対応しても言葉でトラブルになることがあることを知っているため、極力、難しい言葉や専門用語は使わず、また自分が想定しているよりも丁寧に言葉を選んで使います。更には全く知らない人を想定しながら伝えます。

対面では反応を見ながら理解していればより深く高度な話に展開するのですが、頻繁にトラブが起こるSNS、チャット、メールなどのテキストコミュニケーションはリアルタイムで反応が見られないため、相手の反応を想像しながら文書やコメントを書くので非常に脳が疲れます。そして面倒なので要点だけかいつまんで投げかけてしまうので、往々にして想定しない反応が返ってきます。

一番多いのは、そう返ってくるか、、、というボタンの掛け違いパターンです。言いたいことと伝わっていることがズレているのです。

ここで気がつくか否かが鍵です。このズレに気がつけば軌道修正できるのですが、コミュニケーションの難しさを理解できていない人は、ここで感情的反応を示します。これが出ると厄介です。かなり丁寧に根気強く対応しないといけなくなるからです。

自意識過剰な状態になると、何でこんなことがわからないのか?と相手を攻め始めたりしますが、そもそもボタンを掛け違えているのですから、そのボタンは一旦全て外して最初から掛け直すのが必要です。

この作業をしないと仲の良かった友達がある日突然嫌な奴、嫌いな奴、嫌なことを言う奴になってしまいます。昨今のSNSトラブルはこんなちょっとしたコミュニケーションミスから始まります。

自分はxxしたつもりという感情を持った時、一度立ち止まって振り返ってみることが必要です。そして、コミュニケーションは年齢問わず難しく、うまくできている人は少ないということ。自分と他人は全てにおいて違い、相手が必ずしも思っているように受け止めてくれるとは限らないこと。もとい、そもそもそんなことは奇跡的な確率でしかないか、普段から密にコミュニケーションをとってでもいない限りあり得ないことであることを認識しておくことです。

分かり合える人というのは根底のところでお互いが共感し合い、一方で違う感性や考えであることを理解していて、その違いを認めているのです。敬意を払っているとも言えますが、それは一方通行である前提であることも理解しておくことが必要です。

一番重要なのは、これだけ伝えた、やったのだからと見返りを求めないこと。これだけ伝えた、やったのだから同じ考えになってくれているであろうと思わないことです。あくまでもそれでも違う部分や誤解はあると認識しておくことで、不毛なトラブルを避けるか小さなトラブルに抑えることができるようになります。

コミュニケーションが得意ですという人ほど気をつけた方が良いでしょう。こんなに範囲が広く、難しいものはありません。それを安易に自分はコミュニケーションは得意というのは、コミュニケーションの本質理解ができていない人でしょう。

まぁ難しいからこそ面白い、人が100人いれば100通りの価値観や考えがあるから面白い、その違いをいかに組み合わせて一つの目標に向かうようにできるのかは難解ながら面白いものです。

とはいえ、精神的に病んで離脱する人や、人間不信になったり、人生は見誤る人も多いですから、軽い気持ちで深入りしない方が良い領域ですが、人という言葉を操ることができる生き物の奥深さや面白さを知ることは、社会を生きていく上で役には立ちます。

心を壊さない程度に、自分に合った形で適度なコミュニケーションを心掛ける方が良いかもしれません。


著者:原田光久(ひかりば 代表 / コミュニケーション・プランナー) ●社会問題解決アドバイザー、新規事業開発・地域創生・経営支援 ●行政・教育機関・民間企業で研修・講演・IT推進をサポート ●連絡先:harada@hikariba.com