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骨盤底筋エクササイズに有効な呼吸法とは

骨盤底筋は呼吸と連動していることは周知の事実で、産後すぐからもできるエクササイズとしてよく用いられると思います。
ただ、骨盤底筋は可視可できず、また、地味なトレーニングでもあるため、指導するのが難しいなあと感じていました。

そこで、どんな呼吸方法が骨盤底筋エクササイズに効果的なのだろうというということで、今回は様々な呼吸方法の際の骨盤底筋、腹横筋、腹直筋の筋電図をみた研究をまとめようと思います。


①Ha(はー) vs  Hu(ふー)

呼吸のエクササイズで息を吐くとき、
「はー」がいいのか、「ふー」がいいのかどちらがいいのか?

【結果】
Ha呼吸では骨盤底筋と腹横筋に強い正の相関がある
Hu呼吸では骨盤底筋と腹横筋、腹直筋に正の相関がある
→Ha呼吸ではできるだけ腹直筋を用いず下腹部を主とする収縮が行われていた。

✅産後は腹直筋離開が起きているも多く、腹直筋を使うと離開が悪化する可能性があるため、Ha呼吸の方がリスクも低く有効ではないかと考える。
段階に合わせて呼吸法を変えることもありなのでは、と思った。

②骨盤底筋の随意収縮あり vs なし

※随意収縮=意識して力をいれること

【結果】
骨盤底筋の随意収縮アリの場合、呼吸法や収縮時間が違っても骨盤底筋の筋活動に差がなかった。
→骨盤底筋訓練の際は、随意収縮を伴わせることが重要。

骨盤底筋の随意収縮ナシの場合、呼吸法・呼吸時間によって骨盤底筋の筋活動に違いがみられた。
具体的にはHu呼吸・3秒間 Ha呼吸5/7/9秒間で筋活動が高くみられた
→収縮感覚が分からない場合も、3秒間の訓練ではHU呼吸法、5/7/9秒間の持続的収縮訓練にはHA呼吸法を用いると効果的である。

📝感じた事
エクササイズを行う人の状態や感覚によって呼吸法や時間を使い分けることでより効果的な骨盤底筋のトレーニングが行えると感じた。
また、行わせたい収縮(瞬発的なのか持続的なのか)によっても呼吸の仕方を変えることが有効である可能性もある。
トレーニングを行うときはしっかりと状態を評価して適切な介入をしていきたい。

〈参考文献〉
辻野和美(2019):異なる呼吸法と腹部収縮時間が骨盤底筋活動に及ぼす影響 The effect of different breathing method and abdominal contraction time on pelvic floor muscles activity 16(1)


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