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「山頭火全句集」を一章ずつ⑯⑰

「山頭火全句集」を一章ずつ読んでいくこの試み。

今回は「昭和三年」と「昭和四年」の章です。

      踏みわける萩よ薄よ

この句が「昭和三年」の章のはじめに載っていました。

前回の「『山頭火全句集』を一章ずつ」でご紹介した句と同じです。

同じ、というか「萩よ薄よ」のところが「すすきよ」になっているか「薄よ」になっているか。つまり漢字かひらがなかという違いはありますが音は一緒です。

「すすきよ」の方は「草木塔」に、「薄よ」は「層雲11号」に掲載されたものだそうです。

この他にも「昭和三年」には前回、「『山頭火全句集』を一章ずつ⑮」でご紹介した「昭和二、三年」と似た句や同じ句(漢字とひらがな、でもなく一字一句違わない句もあります。)が多くあります。

まあそりゃ、前回のところにも昭和三年の句が入っているわけですもんね。

なぜ昭和三年を二章に分けたのでしょうか。

この全句集をまとめた方に聞いてみたくなりました。

あとがきに書いてあったりするのでしょうか。

あとがき、あるのかなぁ・・・。

と、ペラペラ~っとめくってみたところ、解説はありました。

まだ読んでいませんが、そこまで読んで覚えているかが問題ですね・・・。

俳句の話に戻ります。

「すすきよ」と「薄よ」。私は「薄よ」の方が好きです。

漢字で「薄」の方が、すすきがふわふわ揺れている姿がパッと思い浮かぶからです。

すすきってふわふわしていて、葉っぱ一枚なんて単純なものじゃないじゃないですか。(葉っぱにも色々な色や形があって、単純なものじゃないというのは分かっていますが。)

鉛筆で輪郭を描くと大変なことになる感じが、画数の多い漢字の方で連想されやすいのだと思います。


続いて「昭和四年」。

「大正八年」から一ページを埋めきらない章が続いていたところから、少し増えました。

三ページほどある章です。

秋の句が多いな、という印象でした。

暑くなく、寒くもない穏やかな気候で詠まれたような句が多かったです。

この章で目立っていたのは、()や!が入っている句があること。

例えばこちら。

 秋風また旅人となった(のであります)

この句には()が使われているんですよ。

どう読むべきなのか。

私としては括弧の部分を読まない方が好きなのですが、う~ん。

これは本当に、よくわかりません。

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