「山頭火全句集」を一章ずつ⑱
「山頭火全句集」を一章ずつ読んでいくこの試み。
今回は「昭和五年」の章です。
この章から、どんっと長くなっています。
前の章までとの違いは、「日記」に出てきた句があること。
この章には9月14日の分の日記からの句が掲載されています。
毎日句を作っていて、その分も載せているからこんなに長くなっているのでしょうか。
残っていないだけで、前の年までもたくさん作っていたのかも知れません。
日記のところは、前の章までよりも読みやすかったです。
一日の中で作られた句なので、やっぱり繋がりがあるのかなと思います。
繋がりのある方が普段、小説ばかりを読んでいる私にはよみやすかったですね。
その「日記」のところを読んで思ったのが、一年って長いんだなぁ、と。
9月分の日記からなので秋から冬の句なのですが、一日分、また一日分と読み進めていくと少しずつ季節が変わっていく様子がわかるんですよね。
統計のグラフとか国語の教科書の古典とか見ていたら十年すらあっという間に思えますが、やっぱり一日の中にも色々なことがありますしよく考えたら一年って人生百年としても百分の一なんです。
そう考えると焦りますが・・・とりあえず一日の中の色々なことを覚えておきたいな、という話です。
それから、山頭火の旅って「草木塔」の印象よりは寂しくなかったのかもしれない。そう思いました。
「草木塔」には山頭火一人の句が多くて、なんだか寂しそうなイメージだったのですが、ずっと山の中を歩いていたわけでもないようです。
田園風景とか、牛とか猫とかの動物が出てきたり。
放哉の句よりも色が多いなという印象は「草木塔」を読んだときからあったのですがこの章を読んで、もっと色多いやん!となりました。
炎天と寒空だけじゃなくて、秋空とかも出てきますし。
秋の空っていいですよね。
高くて透明で、見ていると幸せになれる。
秋のお散歩とか好きですし、ああ、私も旅に出たいなと思いました。
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