「山頭火全句集」を一章ずつ④
「山頭火全句集」を一章ずつ読んでいくこの試み。
今回は「大正三年」の章です。
この章では、「時雨」や「海」など、水の表現が印象的でした。
山頭火さんは水が好きだったそうですが、降ってくる水や広がっている水も好きだったのでしょうか。
水を飲むのも、泳ぐのも、流水に手を入れるのも、眺めるのも、好きな私なのでとても気に入った章です。
特に
「蚊帳越しに海ゆらゝ月の汽船待つ」
と
「火酒恋し青葉に注ぐ雨も慕われて」
の二句が好きです。
一つ目の句は夜の海、真っ黒で、時々波がきらりと光海を揺れる蚊帳越しに見ているという情景が思い浮かびました。
こういう情景が好きです。
というか、私が好きになる俳句は大体情景が好きな俳句です。
二つ目の句は「病床にて」作られた句のようです。
なかなか思う通りにいかないもどかしさ、でも青葉に注ぐ雨が綺麗・・・。
そんな感じでしょうか?
経験があるように感じます。
「火酒」ではありませんが。
一つ目の句も二つ目の句も、どちらも室内からぼんやり眺めているような感じです。
水って見ていて飽きませんよね・・・。
「あ~勉強せんと。でも綺麗やな~」
って雨粒が落ちてきて弾けるのを見たり、音を聞いたりするの好きなんですよ。
しかしそろそろ勉強しないといけない今日この頃。
勉強している間も書きたい文章のこととか、色々考えちゃうんですよねぇ。
もう仕方ないんです。
たぶん。
海辺に勉強部屋があったら・・・。
たぶん勉強しないで一日中海を眺めていると思います。
飽きもせずに、二時間でも三時間でも。
それから、二つ目の句と同じく「病床にて」(?)作られた句に気になったのがあって、
これです。
「花菜ほのぼの香を吐いて白みそめし風」
すごく好き!というわけでもないんですけど、何となく引っかかったというか。
「白みそめし風」っていうのが素敵っていうのもありますが何となく気になってしまったんですよ。
その行を何回も繰り返し読みました。
覚えておいて、いつかもう一度記憶から取り出して味わいたい一句です。
山頭火全句集を一章ずつ①はこちら⤵︎
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