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「愚かな薔薇」を読んだ中三女子の感想

恩田陸さんの新刊。

図書館で予約待ちをしていて、やっと回ってきました。

「夜のピクニック」はよくわからなかったのですが、「愚かな薔薇」はすごく面白かったです。

ゾッとするというか、なんというか。

なんだかもう、すごいスケールの話だなと思って。

とにかく、怖かったですね。

別にお化けが出てくるとかでもないし、思い返せば特に「怖い」というようなシーンはなかったはずなんですけれど。

スケール感に吞まれるというか、それこそ暗闇の「外海」に飲み込まれていくような気がして怖かったです。

本当に、すごいんですよ。

SFを読み慣れていないから、ということもあるのかもしれませんがこんなに考え込まれた設定の本はあんまり読んだことがないです。

吸血の意味とかトワさんの話とかも納得できる結末に帰着していて、なんかもう、すごい。

ラストの辺りで奈智ちゃんが世界をつくるパーツの一つになったように感じているところも純粋に「すごいな」と思いましたし、深志兄さんのセリフで

食べる、飲むゆうんは、人間の生存に関わることやろ。でも、それって、俺はなんだかすごく何かが剝き出しになった、哀しい行為のように思うんや。

という文も心に残りました。

設定とか発想だけがすごいんじゃなくて、こういう文章を書けるのって、すごい人なんだろうなって思うんですよ。

大人っぽいな。
と思います。

こういうことを言えるようになりたい。

いつか大人になったら、そんな感覚がわかるのかな?

だから、SF小説も、未来の予測みたいなものを書くことが出来ればそれでいいんじゃなくて、素敵なSF小説を書ける人は素敵な普通の小説も書けるだろうなと思いました。

ただ、やっぱり舞台設定自体も刺激的で好きだったので・・・。

あんまり読んでいなかったSF小説も、読んでみようかな?という気になりました。

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