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しごとを決めるまで②「何をして働くか考えて訪ねてまわった話」

仕事を決めるまでに、「どこで」「何をして」「どんなふうに」働くかを考えた。前回は「どんなふうに」に対して、朝仕事場に行って人と仕事をして夕方帰るように働くことが自分に合っていると判断するまでを書いた。今回は「何をして」である。
(①はこちらから)

どんな職種を選ぼうかと、大学にいる間に色々考えた。
舞踏の修行に出る、ヤスリを一切使わずに鉋で仕上げる木工工房に弟子入りする、人材系の営業、美術家としてフリーターをしつつ作品を売って暮らす、BtoCの生活雑貨をデザインする人になる、教員になる、などなど。

どれも、ワークショップに参加してみたり、弟子にして欲しい人のところに行ったり、就活イベントに行ってみたり、ボランティアしてみたり、現地に行って色々と体験してみた。行ってみて、そこの人々がどのように息を吸い、どのように立ち、どんな目線で自分の仕事を見ているのか、ということを見てきた。すばらしい仕事場も素晴らしい職業人もたくさん見たし、うーん、私は魅力を感じないかも、というところもあった。それを一つ一つ言語化して人に話してみた。

新卒での就活イベントは、一生に一回のことなので行ってみてよかった。大学3年生の9月から秋にかけて行っていた。複数の企業が入れ替わり立ち替わり企業説明をして、それから就活ゲームや人事と直接話ができたりするようなものだった。
あまり興味のない企業の説明を聞くのは苦だったし、パンプスを履くのは足が痛くて輪をかけて嫌だった。私は声が大きくて顔が無害そうなので企業の人事からは好かれたが、別に就職したいとは思わなかった
(あまりに収穫がないので、1回就活イベントに行くたびに1人、素敵だなあと思う就活生をナンパして仲良くなることにした。たいていはインスタだけ繋がって終わりになってしまったが、1人だけ今でも飲みに行くような友達ができたのはありがたいことである。大学で先輩にその話をしたら「就活を合コンだと思うな」と言われた。尤もだ)。

結局民間企業も2社選考に進んだが、別に受かりたいとも思っていないことがバレて、落とされた。「なんで新卒を取ろうと思ったんですか?」「文系学生をとってそちらになにかメリットがありますか?」なんて聞いてたので、当たり前かもしれない。なんとなく疑問に思ったことを質疑応答の時に聞いていただけなのだが、採用されようとする姿勢ではなかった。

ヤスリを使わない木工工房には、3年生の夏にお邪魔した。この話は、あまりに大切なのでちょっとここでは書かないでおくけれど、本当に素敵な仕事場だったし、本当に素敵な方々だった。その場所がもうとても美しかった。ただ、ガサツで数学も算数も苦手で、木工家として独立することが夢なわけでもない私が弟子にしてくださいと頼み込むのは失礼だろうと思い、やめてしまった。私はただただその工房の椅子や椅子を作る姿勢が好きなだけなのだった。
弟子入りは諦めたけれど、お金が貯まったらその工房の椅子やテーブルを買わせていただきたいと思う。

これ以外にもあるけれど、自分の進路を考えるにあたっていろいろな人にお世話になりながら仕事場を見させていただいた。こんな学生のために、一銭の得にもならないのに、お話をしてくれて本当にありがたかった。

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