つきがさ (あまね) ばゆこ BAYUKO AMANE

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つきがさ (あまね) ばゆこ BAYUKO AMANE

ご訪問ありがとうございます。 スキ、フォロー、コメント、シェア、サポート してくださると嬉しいです いつか作家になれるといいな 【無断引用、転載厳禁】 インスタhttps://www.instagram.com/vvvmoon666vvv

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【note創作大賞2024 オールカテゴリ部門】 短編小説 プレーンリンス 2,942文字

ープレーンリンスー お湯で丁寧に頭皮を洗うだけで頭皮汚れの七割は取れます。 予洗が大切なのです。 そのあと二回に分けてシャンプー剤を用いて毛先から泡立てて本洗してゆきます 泡立ては二分くらいは必要でしょうか ゆすぎは洗いよりも時間をかけて慎重にしましょう。後頭部をカッピングしながらお客様に痒いところはないか尋ねながら慎重に行います。 侘田は何度も洗った。講習で同僚や先輩を用いて相モデルで練習した。 熱心に練習していると従業員では足りなくなる。 時には街ゆく人をモデルとして

    • 短編小説 いにしえの盃 2,227文字

        「まあ、わかってたけどね俺が肩叩かれるって」 「うーんノーコメント! ひでぇもんだな!とりあえずおつかれ 乾杯」 50代後半のサラリーマン男性二人組が繁華街ガード下で酒を酌み交わしていた。 金曜の夜、花金の時間帯で昔ながらの大衆居酒屋店は通常通り賑わい、ビールジョッキーと黒いエプロンとハチマキをつけた店員が交互に行ったり来たりしていた。 男性は、もう一人の男性同僚とビールや揚げ物、枝豆などを注文しプチ送別会のようなことをやっていた。 本物の送別会は先ほど開かれ、

      • 【NOTE 創作大賞2024 オールカテゴリ部門】 メヌエット2015 5,588文字

        メヌエット2015 いつも笑顔の彼は無傷に見えた。少なくともわたしには。 この歳にしていままで何か壮絶な内容の過去を背負っているようにも見えなくて。 それがわたしにとって何だか彼がひどく"浅く"見えた。 しかしながらやはりこのような世の中で生きてきて無傷なわけがなかった。 彼もまた一つの"諦め”を背負っていたもののひとりだったのだった。 公園の数メートルかはあろう電子蛍光灯が電池切れを起こしながら点滅を始める。 すると市が整備したであろうこれまた数メーターはあろう縦

        • 短編小説 荒野を駆ける 1,789文字 ご協力…しょう様

          荒野を駆ける  大男のハイキックが拓人の左腕に入ると プチプチと靭帯が切れる音がした。 相手の顔面にパンチを入れようとちょうど伸ばし切っていた左肘。 パンチは相手が真下に潜り抜けて大きく空振りした形になった。 そこに奴が避けた真横から直角に蹴りを入れられたのでもろにダメージを喰らった形になる。 一拍置いて猛烈な痛みが襲ってきたので自分は靭帯損傷、そして骨折したのだと拓人は理解した。 ひどく嘔吐しそうになるのを堪えながら靴底を滑らせるようにして大男と2メートルほど距離をと

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        【note創作大賞2024 オールカテゴリ部門】 短編小説 プレーンリンス 2,942文字

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          【note創作大賞2024 オールカテゴリ部門】ラストメイク 短編小説7,182文字

          同僚の三原 利彦が亡くなったと同じ部署の同僚である山沢から電話で知らせを受けて俺は自宅のデスクの上でメモを取る仕草をした。 仲間の突然の死。 昨日社内でみかけないとは思ってた。 心音が高鳴り、血液が冷めていくのが肌でわかる。 それでもどこか昨日帰るときに総務課が騒がしかったのはこのせいか、と。さめたそんな自分がいることが心底嫌になった。 山沢に知らせてくれた礼をいいスマートフォンを切ると少しだけそれを持つ右手が震えていることに気がつく。 ひじから下、包み込む ー外来種、

          【note創作大賞2024 オールカテゴリ部門】ラストメイク 短編小説7,182文字

          【note創作大賞2024オールカテゴリ部門】 眠らない男 短編小説 5653文字

           ぐうぐう 轟々といびきをたてて眠る男の口は大きく開いて、小ぶりな優子の握り拳ぐらいなら入りそうだった。 男は白目をむいて瞼をぴくぴくとさせ、コメディアンのような古典的なポーズをとってベッドの上に転がって胸板を上下させている。 ホテル備え付けの浴衣がはだけて汗の浮いた胸板がはだけているのが見えた。 時折、ガッと窒息しそうに喉で呼吸をとめるのだが眠りから覚める気配はない。 未明まで激しく抱き合っていたのが嘘のような有様に、優子はおのれの情熱が冷めてゆくのを感じながらSNSの

          【note創作大賞2024オールカテゴリ部門】 眠らない男 短編小説 5653文字

          近況 565文字

          コロナのためおやすみand創作大賞について みなさまおひさしぶりです 実は先月末からコロナと思われる症状にかかってしまい ふしてました。 今は後遺症と思われる咳などの症状などが残ってますが何とか無事です。 一時的に人の多い場所に滞在していたのでその間に感染していたのかと思われます 全く油断ならないな?! 持病でかかっている病院にも通院できずお薬を郵送してもらったり(本来なら五類になってからはやっていない措置だそうで特別に許可していただきました) とにかくてんやわんやでした。

          短編小説 サンドイッチ 1753文字

          恭一はきゅうりとハムとバターの挟まれたバゲットを一口齧ると空を仰いだ。 河の見える10階建てのマンションの自室のベランダで朝ごはんを食べているところだった。 バゲットはアルミホイルに包まれ、コンクリ製の床には缶コーヒーが置かれてある。 厚手の黒いベンチコートを羽織って三月の朝日と微風を浴びながら無心になる至福のひとときだ。 いつもと変わらない日々。 それでいい。 それがいい。 きっと。 筋雲がこちら側から遠くの方に向かって空を覆っていた。 濃いクレヨンで書き殴ったような

          短編小説 サンドイッチ 1753文字

          自由詩 expensive sandwich 291文字

           ベランダでアルミホイルに包んだサンドイッチ バターとハムときゅうりをサンドイッチ 河の見える部屋は朝日が眩しくて 思考がクリアになるね とても 缶コーヒーもコンクリ置きして少し深呼吸するの チープなsandwich 人はちっぽけな存在だから悪さもずるさもするね わかっていてもやるせなくなる 勝手にものごと優劣つけて  その答えを聞けますかなんて愚かな僕に ー僕が手作りしたサンドイッチだけが知っているー チープなsandwich おいしいsandwich コーヒー

          desty5 BL R15長編小説 3487文字

          desty5長襦袢 甘楽呉服の新社長、甘楽将鬼を路田旅館に迎える日がやってきた。 部屋の修繕工事を終えた業者に佑磨は頭を下げて見送る。 路田旅館 一階と二階の半露天風呂の大浴場にまだ修理が終わっていない箇所があったため、 そこを修理業者に依頼していたのだ。 一階と二階の半露天風呂は一つの長方体の形をしたユニットのような作りのようになっており、本館からは細い渡り廊下を渡って入口まで進むように作ってある。 一階と二階の露天風呂はそれぞれ中の階段で行き来することができる。

          自由詩 チョコレート 362文字

          灰色のコンクリートで組み上げられた巨大な街 僕たちはずっとこのまま二人きりだね ずっと カカオ分と糖度の絶妙なバランスチョコレート 舌の上で溶けてゆく 恋の媚薬なんて本当は必要ない 必要なのは加速するときめきとエネルギー だからそっときみの ポケットに忍ばせるの 金色の包み紙 チョコレート オフホワイトベースの分厚いタータンチェック マフラーをして次の各停をわざと遅れて待つの 電光掲示板 あと10分 もっと話したいから 恋のディテール君に渡すの 何枚も 何枚も こんな

          【短編小説】 愛と勇気と自閉症のテーマ 3871文字

          じーへいじょうーだーけれどもー いーきていくー らーんららららー いってきまーす たたたた 瑠璃はゲルネイルのエッジにカラーコンタクトを一枚上向きに乗せた。 長さだし部分1cmはあろうネイルなので手加減を誤ったら眼球に突き刺さるだろう。 まあこちとら何年もギャルを伊達にやっていないのでそんな凡ミスはしないが。 自らの黒目部分にアッシュグレーのそれが溶け込んでゆくと、瑠璃は確信した。 「今日は最高のクリスマスイヴイヴになる!」 涙をメイクがつかないようティッシュで慎重にふき

          【短編小説】 愛と勇気と自閉症のテーマ 3871文字

          創作大賞ありがとうございました&近況

          ご無沙汰しております 最近ようやく秋らしい気候になってきましたね お変わりなくお過ごしでしょうか 創作大賞2023、皆さんはいかがでしたか?? わたしはがんばったけどかすりもしなかったな・・・はははっw 受賞された方はおめでとうございます!拍手っ! 惜しくも受賞を逃した方は来年?次のチャンスに期待しましょう。 わたしもチャンスがあるかぎりがんばります。 いつもスキ、コメント、シェアなど応援まことに感謝です(土下座)。 ばゆこさんの近況 慢性的な不調が続いており主治医に相談

          創作大賞ありがとうございました&近況

          【長編小説】desty4 BL R-15 8478文字

          ※注意事項※ ここから先はなんでも許せる方向けです。 リバ、輪姦、近親相姦などその他の描写がでてきます。 苦手な方はご退出をお願いします。 〜人形、身八つ口II〜 夏樹は初夏の朝四時、旅館の客室で使用しているものと同じ二つくっつけた敷布団から上半身を起こした。 辺りは漆の格子で嵌めてある障子から東の光が差し、ほのかに白い。 藤色した縁取りの畳には脱ぎっぱなしの浴衣が踊るように飛んでいる。 二着。網目模様の帯も絡まるように畳に、また掛け布団にも飛んでいる。 この浴衣

          【長編小説】desty4 BL R-15 8478文字

          散文詩 あめふらし 189文字

           灰色の空 ぐつぐつと煮え立ち一面に広がって もうすぐで まとまった雨をここにつれてきそうさ 男は 歩いていた スタンドスタンドカラーの襟を立て 悲しい過去 思い返す おまえは あめふらし おまえは あめふらし 遠き忌まわしき記憶 灰色の雲が 土砂降りの雨をつれてきて 雨に打たれながら 男は叫ぶ おれは あめふらし おれは あめふらし 土砂降りの雨 あめふらしの男にふりそそぐ雨 永遠に終わらない雨 END

          散文詩 金魚 279文字

          水面に浮かぶ背びれの襞の一枚一枚 普段ならそう見えないはずのそれも はっきりみえる おわりがきている 動かないエラ  それでも 呼吸を続け絡まった藻に立てかける 水面にまたのけ反った そしてもう会えない人のことをかんがえていた 会いたかったか 話したかったか 聞いてほしかったか 笑ってほしかったか 見ていてほしかったか いつからだろう。心が安らぐ時間を見つけられるようになったのは。 なぜだろう。話してみてもいいとおもえたのは。 それらの疑問を打ち消すかのように。 う