二十煎目:茶道と茶会、茶事の違いを教えてください
茶道と茶会、茶事、それぞれの違い
茶道をよく知らないと、「茶道」「茶会」「茶事」など、具体的な違いが判らないというケースもあるようです。
あらためてそれぞれの意味を整理してみました。
茶道
茶道は、広義には茶の湯を通じて心の修養や人間関係を深めるための日本の伝統的な芸道全般を指します。また、狭義には、茶の湯において茶を点てるための儀礼や作法、心構えなどを意味することもあります。
茶会(茶会席)
茶会は、茶道を実践する一連の流れの部分だけを抜き出したものです。亭主が主催し、さまざまなしつらえを準備し、当日は茶室で茶を点て茶と菓子で客をもてなします。季節や行事に合わせて行われることが多く、参加者は主催者のもてなしを受けながら、茶やしつらえを楽しみます。
茶事
茶事は、元は茶会と同じ意味でしたが、現代では食事やお茶のお点前(茶をたてること)を含めたフルコースのことをそのように呼ぶことが多いようです。茶事では、茶室でのルールや作法の他に、茶道具の配置や食の知識、花や掛け軸などの様々な要素があります。茶事は、単なる茶を飲むだけ(茶会)でなく、その前後も含めた、総合的なものとして考えるとよいでしょう。
「お茶を点てて客人をもてなすこと」を意味するのはどれも同じ
簡単にまとめれば、茶道は芸道としての概念であり、茶会は具体的な茶の湯の集まり、茶事は茶会の前後を含めた長時間の行事を意味する、と定義してよいと考えられます。一般的に茶事は、なんらかの意味を持たせて少人数を招いて行う儀式、一方、茶会は略式のスタイルで、お茶と和菓子だけでおもてなしする気軽な集まりと考えてもよいかもしれません。
しかし、茶事と茶会は、どちらもお茶を点てて客人をもてなすことが主な目的です。いちばんの目的は「茶をおいしく飲んでもらうために心を配ること」なのです。