ホット

ホットケーキ at大山

暖かくなると、外を歩くのも気持ちいい。

ということで、池袋駅から歩いて、徒歩30分くらい。大山にある「ピノキオ」というカフェに友達と向かった(大山駅からは、徒歩10分ほど)。

このお店の売りは、ホットケーキ。

そのカフェに行こうとならなかったら、たぶん一生通ることなかったであろう道を行く。

住宅街をてくてくと歩いて、お店には昼時に着いた。店内の席は結構埋まっている。

入るやいなや、店員さんに「ホットケーキはお時間かかります」と聞かれたので、やはりホットケーキを頼むお客さんが多いのだろう。

ご夫婦ふたりで経営しているお店で、ご主人がキッチンに入って、奥さんがホールを担当していた。

店内を見渡すと、ピノキオの絵や人形がところどころに置かれており、店名の由来はやはりそこからきているのだろうかと思ったのだが、聞きそびれてしまった。

注文をしてから、20分くらいで、待ちに待ったホットケーキがやってきた。

直径15センチくらいのホットケーキが2段になっていて、厚さは6センチくらい。ホットケーキの上には、四角いバターのかたまりと、メープルシロップがたっぷりとかかっている。

食べずに眺めていたい。もはや目の保養。

そんな思いを断ち切って、ナイフで一口サイズに切り分ける。ホットケーキの弾力がナイフを押し返す。

口に放り込む前から、おいしいとわかっていたけど、やっぱりおいしい。

中はフワフワで、外側はカリッとしている。バターとメープルシロップの黄金の組み合わせに、幸福物質がたまらずあふれ出す。

奇をてらっていない素朴さにほっとしながら、ぺろりと完食。

そのあとお店を出て、ぼくらは池袋に戻り、サンシャインの外の広場で、ペチャクチャと他愛もない話をした。

目の前には小さな子たちがたくさんいて、元気いっぱいに走り回っている。ある男の子ふたりが、レーシングカーのおもちゃを蹴飛ばしながら進むという斬新な遊びをしていた。

後ろのほうでは、「だるまさんがころんだ」をしていて、ぼくは、「だるまさんがころんだ」って今の子もやるんだとついつい感心してしまった。

変わりゆく世の中で、変わらないものがある。流行に流されずに、ずっと残りつづけるものがある。

そういえば「ピノキオ」のホットケーキは、そんな郷愁を感じさせるものだった。

#エッセイ #日記 #コラム #食事 #グルメ

Twitter:@hijikatakata21

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