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200枚の壁

243枚。

これはなんの数字かというと、いま書いている小説の枚数である。原稿用紙換算(400字詰)で。

200枚というのは、ぼくにとって大きな壁だった。なかなか超えられなかった。この壁を軽々と超えてしまう人もいるのでしょうが。

小学生の頃、作文の課題が出て、一枚の原稿用紙すら埋めるのに苦労していたことを考えると、ものすごい進歩だ。

読書感想文も苦手だったなぁ・・・。憂鬱な気持ちがフラッシュバックしそうなので、過去を思い出すのはこれくらいにして。

最初書いた物語が、600字くらいだった。原稿用紙で言うと、一枚とちょっと。今回は、その約133倍(約80000字!)。為せば成る。

といっても、完成というわけではなく、これから手直しが待っている。いわゆる推敲。矛盾点や登場人物の言動の一貫性など、ズレをひとつひとつ直していく。足りないエピソードを付け加えたり、必要のない箇所を削ったり。

とりあえず完成した第一稿は、とても人に見せられたもんじゃない。おかしな点があまたあり、見る人のストレスになること間違いない。

今回は、途中書かなくなる時期があったが、約3か月かかった。

一日、2000字、原稿用紙で5枚くらいを目安に。執筆時間は、一日1時間~1時間30分。

こんな短い時間でも、積み重ねれば、ゴールにはなんとかたどり着く。

小説を書いている人は、世の中にたくさんいて(無名、有名を問わず)、彼らはそれぞれのペースでゴールに向かう。

ハイペースな人もいれば、ローペースな人もいる。

ゴールにたどり着く秘訣はただひとつ、自分のペースを守りながら、地道に前に進んでいくことだ。いくら周りに追い抜かれても、気にすることなく、完走することを目標にする。周りのペースに合わせて息切れしては意味がない。

ぼく自身、一定のペースを守れないこともあったし、一歩も前に進めなかった時期もあったけど、ゴールにたどり着くんだという意志はあったと思う。

最近、村上春樹の『職業として小説家』を読み返していたら、処女作『風の歌を聴け』は原稿用紙で200枚弱だとのこと。

200枚書いても、文庫本にしてあの薄さ。でも、その薄さには、それなりの苦労や時間、想いがつまっている。書いてみてわかる大変さ。

長編となったら、どんな感じなんだろう。ちなみに『海辺のカフカ』の第一稿は、1800枚。その枚数は、ぼくにとって、未知の領域だ。

200枚で「やっと着いた~」と思っている人間が、1000枚を超えるものを書けるのだろうか。まったく想像がつかない。

もちろん枚数を書けばいいというわけではない。それぞれの物語には、その物語にあった器があると思っている。けど、長いものを書いてみたい気持ちもある。できるかどうかは別にして。

とりあえず今回は、ゴールできて良かった。過去には、途中棄権も何度かあったので。

書く体力をつけ、走れる距離をもっと伸ばしていく。

それが今後のおおまかな目標。

300枚、400枚・・・と、書いたとき、見える景色はどんな風なのだろう。それは、次回への楽しみとしてとっておく。



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Twitter:@hijikatakata21

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