1月に読んだ本、簡単なまとめ

1、サザンウィンドウ・サザンドア 石山さやか

マンガを久しぶりに読んだ。最近は、活字ばっかでマンガはかなりご無沙汰。この作品は、オムニバス形式で団地に住む人々の日常が描かれるのだけど、人と人の些細なやりとりが丁寧に切り取られていて、とてもいい。心にぽっと明かりを灯すようなあたたかさがある。
ぼくは団地には住んだことはないけど、友だちが団地に住んでいて、外側から均等に配置されたベランダや窓を見ると、いつもなんだか不思議な気分になった(なんでそんな気分になったかはいまもよくわからない)。隣に住んでいる人の顔は知っていても、どんな生活をしているのかは知らない。けど、当然のようにそれぞれの日常があって、いろんなことがありながらも前を向いて生きている。そんなあたり前のことを再確認した。

2、こちらあみ子 今村夏子

『文學界』に掲載されていた『木になった亜紗』を読んで以来、今村さんの作品は2作目。『木になった亜紗』を読んだときも脳天を揺さぶるような衝撃だったのだけど、今回も負けず劣らず。どすんと心に直接響く感じ。ただただすごいという感想。と、ここまでまったく内容に触れていないが、なんだかあまり言わない方がいい気もする。とにかく読んでとしか言えない。正直、気持ちいいとか爽快な話ではないけど(どちらかというと内面をえぐるような)、井戸の底を覗いているようななんともいえない魅力がある。でも、精神的に安定しているときに読んだ方がいいかも。

3、ゲイルズバーグの春を愛す ジャック・フィニイ

すべての短編が好み過ぎて、まいった。軸足は、主に日常にありながら、ふいに不可思議な現象、科学では説明できない出来事が紛れ込む。そんな世界観がたまらなく好きだ。不可思議な現象が、無理なく物語のなかに溶け込んでいて、読んでいてとてもワクワクした。自分の常識の枠を軽く取っ払ってくれるのは、物語の特権だなと改めて思った。



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