マガジンのカバー画像

小さな文章

22
パッと読める、小粒たちです。
運営しているクリエイター

記事一覧

モルモット≒ピラミッド

力の天井がはがれ落ち 人の争いに巻き込まれ 税の涙でダムが満ち マトモに扉を閉め切る今夜 …

4

「運の尽きが命の尽き」でも かすかに生きているんだよ 見知らぬ星の地図を掲げて じっと味方…

5

付喪神(つくもがみ)

「部屋の匂いを変えてみたの。嗅いでみて?」  そう言うと彼女は淡い緑で着色されたガラスの…

7

オルゴール艦隊

告白のお手紙は 意味を知られたくなくて 韓国語で書いたんだ 次の日の黒板に 中身貼りつけ…

5

ハンモックはみずうみに

未来の先の 砂漠の穴に ちいさなみずうみ 予測どおりの 想定どおりの おおきな戦争 砂から…

3

秋風はとたんに

季節がひとつ きしりとずれ込んで 私はとたんにうろたえました ひとよひとよに そっと仕度…

10

巡らすだけの悲しみは増すばかりで

前に進んでいるのだか、後ろに進んでいるのだかも分からない。色んな事が面倒になってきて、全てを無に帰す妄想なんかを続けている。再び何かをはじめる、という事の可能性について、悲しいほど夢想を巡らしているけれども、巡らすだけの悲しみは増すばかりで、正直、私は心にぽっかりと穴が空いた生きものになり果ててしまった。 とりとめのない文章を刻んでいる。自分でも、とりとめのない思考に落ち込んでいるのがわかる。そういう時には、一体どういった文章を書いたものだろうか。落ち込んだ日には落ち込んだ

時が成約にシナプスだけ満ちて【現代詩】

善と無関心よ、聞こえているか? 俺は今宵悪夢を発明しようと思う。透けるような魅力を持つこ…

8

太陽電池の強すぎる眠り【現代詩】

肉体の奥深くから湧き出でるミクロな炎。 その輝きに詩世界のグラフィックスは反応し、 だらけ…

16

ただのやさしさは愛の失敗

今朝ベランダに出てみたら 赤い花が枯れていた 大輪の美を誇ってた その花は終わりを演じて…

12

落ち葉はバターの塊【現代詩】

水底が透明に見える水深の浅い湖のほとりから俺はボートを漕ぎだした。茶色く枯れ果てた木々が…

11

別の永遠の中、無理やり旅が始まって

何にもしたくないけれど むりやり何かがはじまって 僕らは皆なぜか旅人 未来のことを考えて…

11

この人は何を見つめているの?(アート・ペッパー)【#はじめて買ったCD】

【では、どうしてこのCDに出会えたのか?…正直、よく覚えていないんです。可能性として一番考…

11

その子は駅の案内人

もう一生 いきいきと生きられないかも 君は駅の迷い人 不穏なニセの 切符ながめて 時はただただゆきすぎる 「あきらめな」とか 「にげなさい」とか 自分の居場所も定まらなくて その子は駅の案内人 むりやり君を連れ出して ホントの切符 「ほら、あげる」って どこから取り出したんだろう でも信じられなくて 「ここにいたい」って あーあ、めちゃくちゃになっちゃった…… あこがれとはずいぶんちがう 昼も夜もねむれやしない 君は駅の真ん中で生きている 「そうだよ。だから、あきらめな」