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その子は駅の案内人

もう一生 いきいきと生きられないかも 君は駅の迷い人
不穏なニセの 切符ながめて 時はただただゆきすぎる
「あきらめな」とか 「にげなさい」とか 自分の居場所も定まらなくて

その子は駅の案内人 むりやり君を連れ出して
ホントの切符 「ほら、あげる」って どこから取り出したんだろう
でも信じられなくて 「ここにいたい」って
あーあ、めちゃくちゃになっちゃった……

あこがれとはずいぶんちがう 昼も夜もねむれやしない
君は駅の真ん中で生きている
「そうだよ。だから、あきらめな」なんて言葉 いつも自分に投げつけて
道行く大人は理不尽な傷 ぜんぶ駅に置き去りにして
癒えた子どもに戻ってく

その子は駅の案内人 むりやり君を連れ出して
宝探しの構内図 「夢中になろう」って どこから取り出したんだろう
でも信じてみたくって 「あこがれてたんだ」って
あーあ、めちゃくちゃになっちゃうかもな……

けれど 古びた心真ん中に置いて 僕ら探しに行ってみよう
その子は駅の案内人 ついていってみよう 質問してみよう
新しい足音一歩一歩響かせ どんな風景が待っているんだろう?

陽の当たる1番線 カラフルな列車 君の秘密の指定席
「サプライズだよ」って その子は駅の案内人
ずっとずっと焦ってた気持ち 汽笛と共に癒えてゆくよ
さよなら 僕のおさないこころ この子は駅の案内人

文章は他の創作物に比べ、古都のようなもので、お金を頂くのはもう粋じゃないのかもしれません。 ただ、あなたのサポートで、私が未来の古都づくりに少しでも参加できるのなら、こんなに嬉しい事はありません。私は文章の住人であり続けたいのです。 あたたかなご支援の程、よろしくお願い致します。