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喜びの島、江の島、新大久保

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神奈川県の海べりに江ノ島という島があります。その島について、多くの人を納得させる文章を書くのは難しいものです。が、地道に挑戦しています。 最近は東京の、新大久保の物語も加えに取り… もっと読む
運営しているクリエイター

#新大久保

ちょっと現金を給付してくれないか?(新大久保のための下書き)

ホット・バターは「発作」持ちだった。そのためかどうかは知らないが、彼女――ホット・バター…

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カフェ・ミラージュで心を映して(新大久保のための下書き)

目を閉じて、街ゆく人々の嘆きだけを抽出していたい。そうすればもう自分だけの苦しみだけじゃ…

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この娘の『女性』は半端じゃなく売れる(新大久保のための下書き)

「おい!ムニア、そんなに飲むなよ!明日だって配信があるんだろ?」 コウタが本気でとがめる…

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あこがれからはだいぶ見捨てられて(新大久保のための下書き)

明日が来るのが怖い。そんな風に「怖い」って思えれば、それが大人になった証なんだろうな。 …

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ムニア(新大久保のための下書き)

いいか、ムニア。俺たちみたいな流れ者には、本当に物事を見極める力が必要なんだ。鍵のさび。…

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ムニア2(新大久保のための下書き)

ポメラニアンみたいな顔して、炙りいかそうめん以下のカロリーしか無いクセに。ムニアは言う。…

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ホット・バター(新大久保のための下書き)

失うものが多すぎた。けれども目の前のにごった夜明けに、あと少しだけ手が届かないだけさ。少しの風にもさらわれてしまって、陽気な言葉も出せない今を、新大久保のベンチに座ってホット・バターは過ごす。夜明け。ホット・バターは夜の絹糸を自ら生み出す蚕となり、それを編む人間機械にもなるだろう。 恋人の一人でも作れば気分も変わるだろうか。しかしホット・バター、つまり彼女の血で作る子など、また同じ、発作の子を産むばかりなのではないか。少しの風にもさらわれてしまう子。かつて日本には、仁義のため

コウタ(新大久保のための下書き)

コウタは大塚駅のマンション、いや、学生寮まがいの安物件に住んでいる。小石川植物園の近くだ…

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