心の「もつれ」に目を向ける

初めて、コーチングなるものを受けてみた。最近、SNSでよく見かけるワード。どういうものなのかハッキリと知らなかったものの、気にはなっていた。bosyuというサイトで検索したら、コーチングのお試し体験募集が出るわ出るわ。その中から、なるべく胡散臭くなさそうで、ついて行けそうなテンションの先生を選んでみた。

コーチングを受ける前のイメージは、悩みに対してアドバイスをくれたり、指南してくれたりするのを想像していた。占い師みたいな。でも実際受けてみると、そうでもなかった。意外と自分から主体的に話さなければならない。先生は、ああしなさいこうしなさいと言わず、どうしたいですか?どうしてそう思いますか?と尋ねる。そして、私はそれに答える。もちろん、答えられずに「アー」「なんですかねえ...」と沈黙する時間もそれなりにあった。(ちなみに、選んだ先生は胡散臭いどころか話しやすかった。ホッ。)

質問に答えられない理由は、色々ある。純粋にそんなの考えたことがないから、ってのもあるし、あるいは、考えるのが嫌で目を背けていたから、というのもある。

思いをうまく言葉にできないとき、頭の中にもつれた毛糸玉が浮かんだ。どこから毛糸を引っ張ればほどけるのか、全くわからない。たぶん、すぐにはほどけないだろう。でも、ほどけないにせよ、目を向けるのは大事なのかもなと思った。なんていうか、そんなのが自分の中に転がっていたんだ、と気づくのって、実はすごいことなのかも。放っておいたら、いつか足で踏んづけて、絡まって、もっとぐちゃぐちゃになるかな。だから、こんな「もつれ」が内面にあるんだ、と見つけるプロセスは新鮮な体験だった。

でもまあ、それを見つけたからといって終わりではないので、結局自分次第なのですが。ただ、コーチングなんて珍しいことをしたら、ちょっと新鮮な気持ちになったなあ、という話。特にオチも何もないんですけどね。大人になると、いろんなことに対して「これはしょうもない悩みだから放っとこう」と思いがち。なんでだろうね。他人に「しょうもなくはないですよ」と言われて初めて、へえそうなんだ、これって目を向けてもいいことなんだと、安心感のある驚きを得た。

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