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オーダースーツを作ってきた!


選べる自由がある事。


私はスーツが嫌いだ。

どうやって見ても男か女か分けられる格好で、一般的に女性は女性物を男性は男性物を着るしか選択肢はない。

それでは性別迷子中の自分はどうすればいいのだろうか。
なにを着たらいいのだろうか。


どうしてもレディーススーツのスカートを履きたくない。

また女の子なんだからと言われてしまう。

私がスーツを好きではないと心から思ったのは高校卒業を控えた時期だった。

私の高校は制服が自由で私服も可能な高校だった。
制服が好きではなくて私服で通っていた為卒業式に着ていく服がなかった。
安いスーツ屋さんに行き、自然な流れでレディーススーツに案内をされる。

母親に「メンズスーツの方がすきだからそっちがいいな」と告げると
「何言ってるのふざけたこと言わないで女の子なんだからこっちに決まってるでしょ」と。
誰がいつ自分は女の子です!と公言したのか、いやした記憶はない。


結局母親と定員さんに「大人っぽく見えて可愛いわね」のお声を頂きレディースのスカートスーツを購入した。

そのスーツはその卒業式の1回しか着ていない。
たぶんこれからも着ることはないだろう。

自分がここまでレディーススーツを着たくないのは、小さい頃に言われ続けた女の子なんだからという言葉が記憶にあるからなのだろうか。
自分でもよく分からない。

普段はスカートも履くしワンピースも着る。
なんならズボンをほとんど持っていないくらいなのに何故スーツだけこんなに執着するのか。
自分でも謎である。

とりあえず苦痛で仕方がなかった。
これはどの感情から湧き出てくる苦痛なのかもよく分からない。
自分がなんなのかすら分からない。
分からないことだらけだ。

そしてレディーススーツを購入するイベントが起きて数年経った先日、オーダースーツでメンズ物のスーツを作るというイベントがおきた。

レディースかメンズか自分で選べるスーツ屋さんって知ってて行ったけど
レディースで作るかメンズで作るか聞いてくれるだけで涙が出そうだった。
自分で着たいスーツを選んでいいんだ。
無理して女の子の格好しなくていいんだ。
選べることがとても嬉しかった。

オーダースーツだから採寸してもらえるんだけど
めちゃめちゃ苦手な採寸がなんにも感じない位の嬉しさだった。

スーツ屋さんにいた時間がとても短く感じて楽しかった。

ただ体型が女の子で下半身がしっかりあるタイプだから定員さんを困らせてしまったらしい笑
定員さん曰く仕上がりが不安だと。
確かに男の人みたいにスラッとした体型ではないが
どんな仕上がりであれ自分で好きな物を選べる事が出来ることが1番嬉しい。

高校卒業間近にレディーススーツを購入して落ち込んでる自分を抱きしめてあげたい。

何年か後には自分でレディースのスーツかメンズのスーツか選べる世界線にいるよ。大丈夫。
確実に1歩ずつ自分が生きやすい世界に近づいて行っているよ。

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