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【読書】『アウトプット大全』

 noteを書いている人間がこういうことを言うのはなんだけど。
 アウトプットすることそのものが、読者のためだけでなく、ひいては自分自身にとって有益なことだったのです。
 そこで、どうして脳にいいのかをピックアップ。
 ついでに、人間の脳のすばらしさと限界。
 最後に、趣味でやっていたエアロビクスも、脳の活性化につながることを紹介します。


ポイント

・アウトプットすると、脳が活性化する
・人間の脳は、記憶量は多いが、処理能力は低い
・有酸素運動で脳が活性化する(「1回1時間程度の有酸素運動を週2回以上」を基準にする)

アウトプットすると、脳が活性化する

実際に、知識を「使う」ことで脳は「重要な情報」ととらえ、初めて長期記憶として保存し、現実にいかすことができます。これが脳科学の法則です。
 脳に入力された情報は、「海馬」というところに仮保存されます。その期間は、2~4週間です。海馬の仮保存期間中に、その情報が何度も使われると、脳はその情報を「重要な情報」と判断し、「側頭葉」の長期記憶に移動します。

 努力とか根性とか言われると、やる気がなくなってしまうのは、僕だけではないはず。
 しかし、脳科学からこうして解明されたから、と言われると、やる気を出してしまうのも僕。
 仕入れた情報は、海馬 → 側頭葉を移動することで、長期記憶になる。
 それがアウトプットするメリット。

 本を100冊読んでも、まったくアウトプットしなければ、現実の世界は何ひとつ変化することはありません。
インプットは「脳内世界」が変化するだけ。アウトプットして初めて「現実世界」を変えることができます。

 その通り。
 本を読むために本を読んでいるのではない。
 面白い小説があって、どんどん読み進めていく―――――という本もあるけれど。
 日常生活に役立つヒントはないかとか、世間話に使えるネタはないかとか、そういった読み方もある。
 だから、皆さんも、本を読んだら、アウトプットしましょう。

人間の脳は、記憶量は多いが、処理能力は低い

 ある研究によると、脳の記憶容量をコンピューターの理論で擬似的に算出したところ、17.5テラバイトという数字が導かれました。「ウィキペディア」の情報総量は約1テラバイトですから、人間の脳は「ウィキペディア」約17個分の情報を記憶できると考えれば、実にすごい記憶力です。
一方で、人間の脳が同時に処理できる情報量はものすごく少ないことがわかっています。3個の情報を同時に処理しようとしただけで、脳の作業領域「ワーキングメモリ」は満杯になってしまいます。
(中略)
人間の脳はパソコンでいうと、ハードディスクの量はものすごくあるのに、メモリの量は非常に乏しい。ですから、この少ないメモリを大切に使わないと、アウトプットの作業効率が、極めて低下してしまいます。

 最近の脳医学の研究成果から―――――ということが多々書かれているのですが、もっとも印象に残ったのがこれでした。
 人間の脳って17.5テラバイトも記憶容量あるのか!
 東京ドームの○倍というような例え方の、ウィキペディア17個分!
 僕たち人間はすごいものを持っているんだから、大切にしないと。
 しかし、同時にCPUの性能は低い。たった3個の情報しか同時に処理できないのだ。
 ブラウザ立ち上げて、ワード立ち上げて、メールソフト開いたらフリーズするような処理速度でしかない。

 ある研究では、マルチタスクによってひとつの課題に集中してあたれない場合、その課題を完了するのに時間が50%も余分にかかることがわかりました。
またそれだけではなく、間違いをする率も、最大50%も高くなりました。別の研究では、2つの似たような作業を同時に行わせた場合、効率は80~95%も低下しました。
ということで、「マルチタスク」は絶対にやってはいけない仕事術です。とにかく、目前のひとつのことに集中してアウトプットするのが、最も効果的なアウトプット法といえます。

 同意。
 この間、取引先の人間とお客様を2人、まとめて連れてきて、僕に投げつけてきた人がいた。
 出来るわけねーだろ。
 しかも、効率が悪くなり、間違える確率も高くなる。
 皆さんも、こういうことはしないようにしてください。
 そして、他の人にもこういう迷惑をかけないようにしよう。

有酸素運動で脳が活性化する

 私が医師になった25年前は、「脳の神経細胞は増殖しない。神経細胞の数は生まれてから減るだけで、増えることは決してない」と習いましたが、その神経学の大前提が、近年覆されました。
海馬の歯状回で、顆粒細胞という神経細胞が新生することが発見されたのです。つまり、人間の脳では毎日、新しい神経細胞がつくられ続けているのです。海馬というのは、人間の「記憶」と極めて密接にかかわっている部分です。
この神経の新生に必須の物質が、BDNF(脳由来神経栄養因子)であり、BDNFは有酸素運動によって分泌が増えることがわかっています。
つまり、有酸素運動をすることで、脳の神経の新生がバンバン促進され<て、記憶力がよくなり、頭がよくなるというわけです。

 趣味でエアロビクスをしているですが、脳の活性化につながるとは思いませんでした。
 有酸素運動だから、ジョギングであれ、ウォーキングであれ、なんでもいい。
 でも、僕みたいに、自分をたっぷり甘やかしちゃうような人には、スポーツクラブのグループレッスンでプレッシャーをかける!
という方法がおすすめです。

 「頭をよくしたい!」と思うなら、運動をすればいいのです。運動量としては、1回1時間程度の有酸素運動を週2回以上行うと、脳を活性化する効果が十分に得られます。

 スポーツクラブのエアロビクスのレッスンなら簡単にクリアできるので、僕の一押しです。
 しかし、『スタンフォードの自分を変える教室』には、このようなことが書かれていました。

 この研究の話をすると、受講生たちからまず飛び出してくる質問はこれです。
「エクササイズはどれくらいやればいいんでしょうか?」
 私は決まってこう答えます。
「どれくらいやりたいんですか?」
 1週間で投げ出してしまうような目標を設定しても意味がありませんし、どれくらいのエクササイズが必要かについては、科学的な合意は得られていないのです。

 もしかしたら、もっと短い時間でもいいかもしれない。
 週1日でもいいかもしれない。
 しかし、1週間で投げ出してしまうような、つまらないものや、しんどいもの、だったらやらない方がマシ。
 「1回1時間程度の有酸素運動を週2回以上」を基準として、無理なく続けられるものを探しましょう。

まとめ

・アウトプットすると、脳が活性化する
・人間の脳は、記憶量は多いが、処理能力は低い
・有酸素運動で脳が活性化する(「1回1時間程度の有酸素運動を週2回以上」を基準にする)

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