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ある日、秘密基地から追い出された

ある日、秘密基地から追い出された。

小学生の頃の思い出だ。

私は女子がよくやる遊びより、男子の遊びに興味がある子だった。だから、休み時間になると女子のゴム飛びを尻目に、その頃、男子たちが夢中になっていた秘密基地作りに参加して遊んでいた。

それが、小学生の3年生くらいの頃だろうか?記憶はおぼろげだが、ある日突然、通告された。

「お前は女子だから、秘密基地には立ち入り禁止な」

「えーーー?!」

そう言われて、私は途方に暮れた。


女子の遊びを履修してない

今まで所属していたグループから突如追い出され、全く異なる文化のグループに入らなくてはいけない。

クラスで言えば、女子のグループに入ることになったのだが、ゴム飛び、あやとり、そういった類を履修してこなかったため、遊びについていくことができず、ほとほと困り果てた。

その後、長く新しいグループに馴染むことは出来なかったように思う。

ゴム飛びのルールは、未だに分からない。足をどこにどう引っ掛ければ良いんだろう・・・?何がどうなったら勝ちなのか・・・?そもそも勝ち負けとかないのか・・・?


キレイで真っ直ぐな棒は宝物

今思い出しても、不思議なことだ。

私を追い出した彼は、ある日突然、雷に打たれたように「女子と一緒に遊ぶのは、恥ずかしいことだァーーー!!!」となったのだろうか?

それとも、私個人の何かが気に食わなくて、何かしらの理由付けとしてそう言ったのだろうか??

今となっては分からないし、考えるだけ無駄かもしれない。

いずれにしろ、それ以来、私は「女だから」という理由で何か規制をかけられるのは不自由なことなんだな、と考えるようになった。

秘密基地だって作りたいし、太くて真っ直ぐな棒があれば剣として振り回した後に自分だけの秘密の場所に隠したいし、スカートよりズボンを履きたいし。


今の夫は、私に家事をしなさい、とは言わない。化粧をしなさい、とも言わない。ズボンを履いていても、スカートを履いていても、あまり関係ない。

でも、物を大事にしなさい、とは言う。魚は皮まで美味しく食べれる、というか皮が一番美味しいよ、とか、外を歩く時は気をつけなさい、とは言う。

長く社会生活を営むうちに、夫のような人は意外と少ない、ということを知った。

本当に、有り難い人と結婚したものだ。

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