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小が大に勝つための原則

こんにちは。
スクラムヒューマンパワー代表 日原 達仁です。

私の記事を読んでいただいて、ありがとうございます。

私の母校であり、今は息子が所属する
日川高校ラグビー部が、花園2回戦で敗退しました。
同じ公立高校であり、進学校でもある
長崎北陽台高校と対戦し、完敗でした。

こちらにアーカイブがありますので、
合わせてご覧いただくとより楽しめるかもしれません。

今後日川高校部が、かつての様な常勝チームに復活するためには
どのようなチームを目指せば良いでしょうか?

以前も社会人ラグビーのチーム作りに参考とした、
「ランチェスターの法則」、
戦闘の勝敗を示す軍事理論に基づいて考えてみようと思います。

本当にざっくりと説明すると、ランチェスターの法則では
軍隊の強さ・力を示す戦闘力は、武器と兵力数で決まります。
武器は敵と味方の武器の性能や腕前を比率化して捉えます。

味方が敵の2倍の性能を持つ武器を使用するなら、
味方の武器性能は2です。
しかし敵が味方の2倍の腕前を持つのであれば、
味方の武器性能は0.5となります。

兵力数とは兵士や戦車、戦闘機の数、つまり物量です。
この武器性能と兵力数を掛け合わせ、軍隊の戦闘力を算出します。

一次法則、二次法則と、法則は2つあり、これは戦い方によるものです。

一時法則は、1対1で戦う一騎打ち戦、
敵と近づいて戦う接近戦などを指し、
戦闘力=武器性能 x 兵力数とシンプルです。
同じ兵力数なら武器性能が高い方が勝ち、
同じ武器性能なら兵力数が高い方が勝ちます。
例えば、織田信長は鉄砲という新兵器を用いて勝ち、
豊臣秀吉は常に敵の数倍の兵力数で勝つ、といったものです。
敵に勝つには敵を上回る武器か兵力数を用意すればよいのです。

二次法則は、近代的な戦いに適用するルールです。
集団が同時に複数の敵に攻撃をすることのできる近代兵器 (確率兵器) を使って戦う戦闘方法を確率戦といいます。
第二法則が適用される戦闘は確率戦で、広い範囲で (広域戦) 、
敵と離れて戦う (遠隔戦) 場合です。
マシンガンを撃ち合う集団戦がイメージしやすいでしょうか。

戦闘力=武器性能 x 兵力数の2乗となります。
第一法則との違いは兵力数が2乗となることです。
武器性能は変わりません。
確率戦は相乗効果をあげるため、兵力数が2乗に作用します。
2乗ですので、10 なら 100に、100 なら 10,000 と、
とてつもなく大きくなります。

兵力が多いほうが圧倒的に有利です。
兵力の少ない軍は、第二法則が適用する戦いでは
勝つことは極めて困難です。

やはり兵力、つまり選手数が多いチームが有利ということになります。
では、選手数のすくない公立高校が、
私立のチームに勝つためにはどのような方法が考えられるでしょうか?
小が大に勝つにはどうすればよいでしょうか?

第二法則適用下の戦いでは歯が立ちません。
第一法則適用下であれば、武器性能を兵力の比以上に高めれば勝てます。
兵力数は増やせませんが、運用方法には工夫の余地があるでしょう。
例えば、局地戦に持ち込み、兵力を集中させれば、
その局面においては兵力数をライバルよりも多くできます。
軍事用語で局所優勢といいます。
局所優勢の状況を維持して各個撃破していくのです。

ランチェスター法則から導き出される、
小が大に勝つための原則は以下の3つです。

1.奇襲の原則
     ランチェスター第一法則が適用する一騎討ち戦、
     局地戦、接近戦といったゲリラ戦で戦う

2.武器の原則
     武器性能を兵力の比以上に高める

3.集中の原則

     局所優勢となるよう兵力を集中し、各個撃破する

孫子の兵法では、
1.奇襲の原則
2.武器の原則
3.集中の原則
4.機動の原則 と、なります。

これを日川高校vs長崎北陽台高校に当てはめて考えると・・・

1.奇襲の原則
局地戦、接近戦といったゲリラ戦で戦う
長崎北陽台は、局地戦、モールが圧倒的に強かった!

2.武器の原則
フィジカルの強い選手が目立ちました。
日川高校の選手は細い選手が目立っていましたね!

3.集中の原則
モールをドライビングモールや、ラック周辺で
相手FW、タックルの弱い選手をターゲットに攻撃していましたね!

近代的なラグビーはボディーバランスを強化するなど、
フィジカル面の強化が重要です。
また、アートなゲームデザインなど、感覚的な面、
いわゆるラグビーセンスを磨くことや、
テンポ良く攻撃し攻守の切り替えを
判断する力を持ち合わせることも必要です。

しかしシンプルに、個が自立すること!
やらされ感ではなく、自分たちで自主的にやるラグビーにすること。
これが小が大に勝つために最も大切なことですね!


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