1.君の作風

ガラスの海にメッセージボトルを
流し続ける毎日の中で
夜空に星を縫い付ける仕事をしている
明けない朝には二杯の珈琲を飲む
どこにもたどり着くことのない種が
花を咲かせる町を目指して
彼女は背泳ぎでプールを泳ぐ
メンタルクリニックに花粉症の薬を
もらいに行く
すれ違うことはきっとないのだろうね
崩れてしまった砂のお城が
心臓の中に穴を掘って
指先が触れ合うのを待っている
優しさが正義なら美しい星になるだろう
二人が潜り抜けてきた戦争は
薬指にグランドピアノの刺青をいれて
髪を短くカットしている
ジョンレノンのような丸眼鏡は
どこの眼鏡ショップにも売っているのか?
僕は人間という着ぐるみを着てるだけで
罪を背負っているような気分になる
抱きしめられると壊れてしまうから
愛されると死んでしまうから
焼いた林檎の味が好き
8時半に睡眠薬で眠りに落ちる
伸びてしまった爪を悲しく見つめる
光の中に結晶を見つけたら
暮らしを明るくする天使に出会えるだろう
それが君の作風だと
僕は思っていますよ

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