京都人は腹黒いのか
「京都で修行していました」と言うと、必ず聞かれるのが京都の人って腹黒いのか、どうか。
京都にはお世話になった人も、お友達もたくさんいる。「京都の人は腹黒い!」と言うと、その人たちまで腹黒いことになってしまうから、なかなか言い難いのだが、確かに腹黒い人はいる。
仲が良いと思っていた畳学校の先生が、裏では私の事を「どこの馬の骨ともわからん奴」と言っていたこと、ボーリング大会のことで周囲にグチグチ言っていたこと、私は全て知っている。
『腹黒い』の遥か想像をいく腹黒さで驚いたこと、正直言って数え切れないほどある。
ただ、本当に腹黒くない人もいる。私がお世話になっていた畳屋さんは、腹黒いなんて思ったことは一度もなかった(出身が石川県だったからかもしれないけど)。本当に優しくて、真っ直ぐだった。
それゆえに、逆に間違えて捉えてしまい困惑したことが多々あった。
実は、京都に修行に来た日に、先輩達から「京都人は腹黒いから反対の意味で捉えた方がいい」と言われていた。
「ゆっくりきいや」=「はよこい」
「ゆっくりでええで」=「はよせい」
「ゆっくりしていってください」=「はよ帰れ」
もちろん、これらの言葉は親方も使うわけで。親方に「ゆっくりきいや」と言われ、走って居酒屋に行ったら「なんで走ってんねん。ゆっくりでええって言ったやん(笑)」。こんなことが結構あった。
だから京都に住んでいる人、みんなが腹黒いかと聞かれれば、決してそうではない。そうではないが、みんなが想像するより遥かに腹黒い人は、確実に京都に存在する。
▼京都で修業した畳職人のブログ:https://phkkoomde.com/
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