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東洋医学講座 127

〇肝と酸味

酸味についてその作用や含有するもの、摂取の仕方など簡単にまとめますと、次のようになります。

・酸味は肝を栄養するがが、過ぎれば肝を傷つける。
・酸味は甘味を抑え、脂肪を分解する。
・酸味は野菜類をはじめ、果実に多く含まれる。
・酸味の摂取は春夏に多く、秋冬には少なくするのがよい。
・酸味は朝昼に食し、夕夜に食さないこと。

▼酸味はいつ、どのようにとったらいいか?

酸味は肝を栄養しますが、酸味を摂り過ぎた場合は、肝を傷つけます。

例えば、土用(長夏)から秋にかけては、体が酸味を必要としていません。肝が囚や死期に入っているときで、あまり酸味をとらなくてもいいからです。現代医学的にみても、酸は脂肪を分解する働きがあるので、これを土用から秋にかけてとるのは、体にとって必要な良質の脂肪を分解してしまうので、冬に備えての体内の保温性が落ち、冷え症になります。

みかんは旬の時期に美味しく、値段も安くて最も手頃な酸味となりますが、必要以上にとるのは感心いたしません。肝が旺する春、また相する冬には必要ですが、それ以外は少量でいいのであります。それよりもむしろ、肝が休に入る夏に一番必要とします。また、一日でいえば、肝旺の朝に適量とるのが効果的です。

このように食べ物も、季節や時間帯を考慮したうえでとる必要があります。

脂肪はそれ自体は土性と水性に属するものですが、体内に存する脂肪は土性に属します。エネルギー源となって消費される脂肪は、水性のものです。いずれにしても、脂肪は水と土で成立しているので、これを分解するのは木の働きです。それは木剋土で、土を分解します。また、水は木にあうと水気がもれます。これも分解です。

酸味は脂肪を分解するので、脂肪太りの人をやせさせる一つの方法として酸味を用います。ただし、冬は避けたほうがよく、酢を少量ずつ飲むことをお勧めします。米酢は、割と肝臓を傷つけないので、量は盃一杯程度で、カルピスなどに混ぜると飲みやすくなります。痩せたい人は、春から夏にかけて実行してみるといでしょう。

また痩せるための食べ物として、こんにゃくや野菜などを食する人がいますが、やはり季節などを十分考えたうえで、健康的に減量してほしいと思います。

春夏秋冬を通して肝旺期は朝、休期は昼です。したがって、四季を通じての酸味摂取は、朝食時に梅干し1,2個を毎日食するのが適当です。朝とれないときは昼食のときでもいいです。昔から梅干し弁当は、当時の常食だった理由です。

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