第一章 退屈
降り頻る雨の中、俺は傘をささず呆然と立っていた。
16歳の俺にとって高校生活はもっと楽しいものだと思っていたが、どうやら期待には応えてくれなかったらしい。
理不尽な教師。束になる生徒。
俺にとっては学校はただの監獄のようなものに過ぎなかった。
行きたくもない学校にわざわざ通うのは将来のため。自分のため。と、何度自分に言い聞かせただろうか。
帰り道、ふと空を見上げるといつものような明るい景色はなく、モノクロの景色が広がっている。
俺の世界はいつしか、色を失っていた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?