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目に見えない移住の最も大切な事

移住支援策、定住促進パンフレットが決して謳わない因習は、日本全国、そこここにある。もちろん、そうした因習や暗い記憶は、地元町村誌や活字をつぶさに紐解いても記載されていることもまずない。

 地元の人でなければ、決して外からはうかがい知ることのできない風習と歴史を、日本の集落はどこも抱えている。移住勧誘のパンフレットから、あるいは移住相談会に並ぶ明るい笑顔の担当者からは、その背後に潜む、そんな歴史を見抜くことは難しい。
人間は、その土地が孕む“歴史”によって育まれるものでもある。

過酷な因習、暗い記憶は、住んでみなければ知り得ない。
そんな土地に一目惚れし、なけなしの貯金や退職金をつぎ込み、何千万円もかけてログハウスでも建てようものならば、後の祭になりかねない。

まずは借住し、じっくりと「人」に加えて「歴史」を“観察”してから、定住先を決めるべきだろう。
移住・定住とは、そんな各地が封印している“歴史”のなかに飛び込む行為にほからならないのだ。

文/清泉亮(せいせん・とおる)
著書に『誰も教えてくれない田舎暮らしの教科書』(東洋経済新報社)週刊新潮WEB取材班
「憧れの田舎ライフ」で常に警戒すべき“因習リスク”若夫婦を苦しめた“奴隷の亡霊”
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190310-00558023-shincho-soci&p=1