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くだらない話 第2話「趣味」

パンダ「これといって趣味がなくってさ、いい趣味ってあるかな?」

クマ「それなら、華道がいいんじゃない?」

パンダ「華道ってあの、花瓶とかに花をさすやつ?」

クマ「そうそう、だいたい合ってるよ、でもその、花瓶とかって言い方だと、師範の人は怒るから気を付けた方がいいよ」

パンダ「え~と、華道の師範の方と知り合いだったりするの?」

クマ「知り合いってゆうか、私が師範です」

パンダ「そうなの?知らなかったな、それならやっぱり、誰かに教えたりしてるの?」

クマ「そうそう昔はね、なんなら安く教えてもいいよ?」

パンダ「やっぱりお金は取るんですね」

クマ「うん」

パンダ「華道ってどういったものなんですかね?」

クマ「いいでしょう、簡単に説明すると。器があって花をさす、自分の感性をぶつけて表現をする、昔はそう思っていました。つまり、まだ囚われていたんでしょう、最近は、それぞれの物質を概念や、歴史単位で感じて、それらを今生きてる私の視点で再構築…」

パンダ「ちょっと待って、長い長い、途中ではぐれちゃった。結局、今何してるの?」

クマ「一番新しい作品では車に電柱を刺したやつかな」

パンダ「……その前は?」

クマ「その前はね、水溜まりに私が全身ピンクのタイツで、片足で立つみたいな作品やね」

パンダ「………現代アート的なことですかね?」

クマ「そう解釈する人もいるよ」

パンダ「怖いなあ、やっぱり辞めときますね」

クマ「何を?」

パンダ「華道の行き着く先がそれみたいだし、あなたから華道を習うことを辞めときます」

クマ「そうかそれは残念だ、また何でも聞いてくれよ」

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