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the who 『Who's Next/Life House Super Deluxe Edition』についてpt.2

結論から言うと楽しんでます。

到着前の自分の気持ちをできる限り記録しておいて損はありませんでした。

BOX、とても重かったです。
11枚のディスクは勿論、100ページの解説本、そしてライフ・ハウスの初公式ビジュアル化作品となるグラフィック・ノベル。
要は漫画。
コレが分厚い。
今後のザ・フーファン達のライフ・ハウス・プレイリストに大いに役立つ"資料"となる筈です。

ディスク1のオリジナル・アルバムは最新2022リマスター。
僕は特別オーディオマニアとかでもないですが、既発の「Who's Next」達とは明らかに聞こえ方が違います。
スティーブ・ホフマン版、1995リミックス版など色々種類がありますが、聴き比べるのも一興です。
このアルバムの素晴らしさはどのバージョンでも揺るがないので、あとは自分好みを見つける楽しさを経てオーディオ沼にハマっていく人もいるんだろうなぁと他人事な感じで思うのでした。

スティーヴン・ウィルソンによるサラウンド・ミックスはすごかったです!
Apple Musicで無理矢理ドルビーアトモスでイヤホンで聴きましたが面白い!
AirPodsじゃなくてもiPhoneのミュージックの設定からドルビーアトモスを「常にON」の設定にすれば楽しめます。
「Song Is Over」ではピート自身によるギターとシンセのオーヴァーダブも聴けます。
2014年頃のステレオ版「My Generation」のギターオーヴァーダブはめちゃくちゃやってて最早笑えましたが、今回の「Song〜」は完全再現という感じではないですが良い感じに馴染んでます。

ディスク4〜6のスタジオアウトテイクが予想以上に楽しめます。現在進行中で楽しんでます。
やはり1番目立つのがディスク5の5曲目「Naked Eye」のリメイク版でしょう。
ピートのアコギとピアノが美しく絡み合いながら始まります。


「Odds & Sods」の聞き馴染みのあるバージョンと全く印象が違うので甲乙つけ難いです。

ディスク4のレコードプラント音源では3曲目の「Behind Blue Eyes」が未発表音源。
新鮮です。

個人的にも楽しみにしてた「Heaven & Hell」のステレオ版も良かったです。

「Time is Passing」もようやくちゃんとした形でリリースされました!
美しすぎます!

……と思いついた順にぐちゃぐちゃに紹介してしまいました。
とにかく圧倒的な質量に圧倒されてます。
宝石箱とはまさにこのことかと。。。

あ、あと「When I Was A Boy」って全然語られてるの見たことないんですけど、めちゃくちゃわかりやすくキース・ムーンのドラムがヤバい曲ですよね。


前置きはこのくらいにして、、、
前回も言った通り僕はピートのデモ音源が大好きなんですね。
で、その収録曲にいろいろイチャモンをつけてたんですが、、、。

まぁそこに対する印象はやはり変わらずでした。
でも、楽しめてます。
ディスク2の7曲目「Greyhound Girl」は明らかに既発の音源と聞こえ方が違います。
リマスターだけの違いではないレベルです。
リミックスなのかな?
別バージョンって言われても納得できます。
SF感が増した感じですかね。

僕の大好きな曲「Mary」の別バージョンも!
この曲の表記がめちゃくちゃ分かりづらくて、Alternate版って書いてある方(ディスク3の8曲目)が『Scoop』やら『Lifehouse Chronicles』に収録されてた所謂聞いたことある方の音源です。
ディスク4の8曲目が未発表バージョンですね。

エレキギターの響きが違います。
Phaserのようなエフェクトがかかっており、曲の空間の深みが増したような印象。
より官能的になったとも捉えれるかもしれないです。
ライナーノーツのピートによればこっちのバージョンの方が好みとの事。
僕はどっちが好きかなぁと考えましたが…

「ピートが好きっていうなら僕もそっちー!!!」

ってくらいのテンションで、正直どっちでも良い感じです。

ディスク3の2曲目「Getting in Tune」はAlternate Versionとの事でしたがクロニクルズ収録版と何が違うのか正直よく分かりませんでした。

ディスク2の11曲目、ブートレグとしても流出されなかった完全未発表デモ音源「Finally Over」。
こういう音源が聴ける事に感謝です!

ザッツ・ピート・タウンゼントというべきコード進行。
荒削りながらも美しい曲です。

……ていうかこれコード進行からしてもライフ・ハウス版「Naked Eye」ですよね、たぶん笑

タイトルからも予想できるようにストーリーのフィナーレ用に書かれたこの曲は割と早い段階でライフ・ハウスの曲リストからは漏れて、その位置には代わりに「Song Is Over」が収まったそうです。

楽しみにしていたデモ音源の感想はざっとこんな感じどす。

前回も言及させていただきました「Classified」、「Ambtion」等が心残りですが、まあ良しとしたいです。。。


グラフィック・ノベル、ライナーノーツにも目を通して一通り楽しんだ所で、これまでの資料等も踏まえつつ、勢いに任せてライフ・ハウスのプレイリストをいくつか作ってみました。

こういう楽しみ方をしてくださいってコトでしょ?にいち早く乗っからせていただきまうす!!

ライフ・ハウスのプレイリストを作る上で常に厄介なのは、ザ・フーとして録音されてない、或いは音源が残ってない「Teenage Wastland」、「Greyhound Girl」、「Mary」などの曲だと思うのです。

プレイリストを組み立てる上でいろいろタイプは考えられます。
バンド音源のみのザ・フー・バージョン。
デモ音源のみのピート・タウンゼント・バージョン。
バンド音源とピートのデモ音源を混合させたバージョン。
個人的に混合バージョンは違和感が生じるので嫌なのですがいかんせん先程あげたバンドとして録音されてない楽曲群達はストーリー上では重要な立ち位置となる曲が多いのです……。
「Teenage Wastland」はいわばライフ・ハウスの序曲です。
「Mary」はその名の通り主要人物であろうメアリーの曲です。
グラフィック・ノベル版でもバキバキに登場しておりました。

あとはライフ・ハウスの設定は年代により常に更新されており関連楽曲もその都度増えたりしているのでその辺もいろいろ悩ませます。

とかなんとか色々考えて出来上がったのがコチラ!

「Life House」ピート・タウンゼント・バージョン(1971)

その①は1970〜1971のピートのデモ音源のみで構成したバージョン。
第一構想期のデモ音源のみで構成されていて、今回のBOXの収録音源のみでも組み立てれます。

1.Teenage Wastland
2.Going Mobile
3.Love Ain't For Keeping
4.Too Much
5.Greyhound Girl
6.Mary
7.Time Is Passing
8.Pure And Easy
9.Getting In Tune
10.Nothing Is Everything
11.Won't Get Fooled Again
12.Baba O'Riley
13.Behind Blue Eyes
14.The Song Is Over

収録時間が1時間14分で2枚組LPアルバムのイメージです。
11曲目に「Classified」を入れるのもアリかなと思いましたがまぁ良いでしょう。
12曲目の「Baba〜」はフェードインしてくる歌ありバージョンです。
からの「Behind〜」を配置してるのは今回のBOXのライナーノーツのピートの言葉を参照してます。
結構スッキリまとまってると思いますが、当たり障りないとも言えます。

「Life House」ピート・タウンゼント・バージョン pt.2

その②は年代関係なしのデモ音源のみバージョン。
今回のBOX以外に『Lifehouse Chronicles』の収録曲を使ってます。

1.One Note - Prologue (Lifehouse chronicles)
2.Baba O'Riley (Original Demo)
3.Teenage Wastland
4.Going Mobile
5.Love Ain't For Keeping
6.I Don't Even Know Myself (Lifehouse chronicles)
7.Too Much
8.Greyhound Girl
9.Mary
10.Baba M1 (o'riley 2nd movement) (Lifehouse Chronicles)
11.Join Together (Lifehouse chronicles)
12.Time Is Passing
13.Pure And Easy
14.Getting In Tune
15.Nothing Is Everything
16.Slip Kid (Lifehouse chronicles)
17.Relay (Lifehouse chronicles)
18.Won't Get Fooled Again
19.Baba O'Riley
20.Behind Blue Eyes
21.The Song Is Over
22.One Note - Epilogue (orchestra version) (Lifehouse chronicles)

まぁぶっちゃけよくわかってはいないんですが。
詰め込んだ感じですね。
グラフィック・ノベルをだいぶ参考にはしてます。
個人的には読みやすい本ではなかったので、なんとなく感じたままに選曲、配置してるだけですが。
Join Togetherの曲順とかなんてのが正にその影響です。
「Slip Kid」というワードも漫画には出てきており釣られて採用してます。
因みに「Bargain」に関しては最新のピートの発言を重視して今回はどのバージョンにも採用してません。
まぁ言うことがコロコロ変わる人なので、気分次第では入れるくらいのテンションです。
重要度は低めかなと判断しました。
頭とケツにある「One Note」は雰囲気作りです。
2曲目の「Baba〜」インスト13分版も雰囲気作りです。
映画化の際のオープニングクレジットとして使われる予定だったみたいなエピソードもあったのでここに配置しました。
詰め込んだ分ちょっと長尺ではありますね。

「Life House」ザ・フー・バージョン

とりあえずこれで最後です。
答えの無い遊びなので、正に不毛です。
最後はバンド音源のみのザ・フー・バージョンを作ってみました。

1.One Note - Prologue (Lifehouse chronicles)
2.Pure And Easy (Odds & Sods)
3.Going Mobile
4.Love Ain't For Keeping
5.I Don't Even Know Myself (Who's Missing)
6.Too Much Of Anything (Odds & Sods)
7.Music Must Change (Who Are You)
8.Join Together (Single Mix)
9.Time Is Passing (stereo)
10.Getting In Tune
11.Let's See Action (Unedited)
12.Slip Kid (The Who By Numbers)
13.Relay (Unedited Remix With Alternate Vocal)
14.Won't Get Fooled Again
15.Baba O'Riley
16.Behind Blue Eyes
17.The Song Is Over
18.One Note - Epilogue (orchestra version) (Lifehouse chronicles)

バンド音源のみって言っときながらいきなり「One Note」使ってんじゃねえ!って言われても仕方ないですが、雰囲気作りです。

収録時間が1時間20分で2枚組アルバムと考えれば丁度いい感じかと思います。

収録曲についての話だと、デモ音源で構成する時には使えた「Teenage Wastland」に変わって、満を持して「Pure And Easy」に序曲の役割を与えています。
「Pure〜」から始まり、クライマックス曲「The Song Is Over」の終盤で再び「Pure〜」のフレーズが出てくる終わり方はカタルシスを感じますし、"輪廻"的な意味でも(ピートはスピリチュアルなテーマをしょっちゅう取り上げてる)最善の配置な気がします。
今回のBOXで曲単位のレベルで個人的に1番望んでいたことは「Mary」のバンド・バージョンの発掘でした。
残念ながら今も行方不明のままで、もしかしたら録音もされてなかったのかもしれないですが……
無いものは仕方ないので他で出来るだけ補います。
そこで僕は「Music Must Change」を引っ張ってきました。(この曲のピートのデモ音源は最高なので必聴です)
歌詞の内容的にも収まりが良くて曲調的にも違和感なく嵌めれてるかなと思います。
各曲様々なバージョンがあり、今回のBOXで選択肢は更に広がりましたが、一応表記してあります。
今回のBOXに収録されていた「Relay」のフルバージョンは終盤中々カッコいいです。


曲前のカウント入りの音声は資料性は高いですけど、こういったプレイリストでは邪魔になることもあるので各自で処理必須です。
『Odds〜』や『Who's Missing』の音源はそういった処理が面倒なので持ってきてる節もあります。
あとは、イキフン重視っす。


諸々いかがでしたでしょうか?
たまたま読んでいただいた人は是非別の「ライフ・ハウス」案があれば教えていただきたいです。

やはりこのBOXで心残りなのはピートによる『シン・ライフ・ハウス』が無かった事ですが、しょうがないです。
一度『Lifehouse Chronicles』で提示はしてるんで、何回やらせるねん!って感じなのかもしれないですが。

今回ライナーノーツを読んで気になったのが、翻訳文がたまたまそうなのか本当にそうなのか、ピートがめちゃくちゃ今後に対してやる気なように読み取れたって事なんですよね。
「もう一度やらなければならない」的な言葉が何回か出てきました。
「動くと体がポキポキ鳴る」みたいなお爺ちゃんのような言葉もあって、年齢的にももう元気でいてくれるだけでありがとうな訳なんですが、どうしても期待してしまいます。

デモ音源に対する言及ではしっかりとこの選曲に対して不満を抱くリスナーがいるだろうと察知してる様子だったのも憎めない所です。
「選曲に一線を引く必要があった」とありましたがその理由について深くは言及せず😅
まあ、良いってことよ!✌️
「今回のデモ音源を洗い直して選別する一連の作業は本当に楽しかった!」という御大の言葉で思わず僕もニッコリするのでした〜。

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