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フロントエンドエンジニアがUXデザインを学んでいる話

この記事は、Lancers(ランサーズ) Advent Calendar 2023 の15日目の記事です。

フロントエンドエンジニアの谷(@high_g_engineer)です。
個人的にですが、2023年はUXデザインを学ぶ1年になりました。
その過程で読んだ書籍の書評をお伝えします。

※ ここから先は長くなります。
UXの知識をつけるために、何からはじめたらいいの?ということが知りたいだけの人は、今すぐに「UXデザインをはじめる本」を買って読みましょう!

2023年はじめごろの自分

2023年のはじめごろ、UXに対して、以下のようなことを考えていました。

  • 今までオシャレな感じのLPを作ってきたし、フロントエンドの知識もあるし、結構UXとむきあってきたで

  • UXって、なんか銀の弾丸的なものを使えば、よくできるんやろ

当時は、UXに対しての理解がふんわりしており、
なんとなくUXというワードを使って、
なんとなくUXとむきあって、
なんとなくUXを学べば、
なんとなくUXがよいものを提供できるはず。
といった感じで、解像度が低い状態で、UXというキーワードをわかった気でいました。

しかし、「良いUXを提供することが目標」ということを他人に話すたびに、そもそも良いUXってなんなんだろう?
デザイン?手法?心理学?という疑問が浮かんできました。

そして、「いかん、、UXという言葉を普段扱っているのに、自分はUXについて、なんも知らんやないか・・・。」ということを悟りました。

なにから手をつけていいか分からない状態だったのですが、UXに関連する記事を読みつつ、並行して書籍を読むことからはじめました。

2023年に読んだUX関連書籍

読んだ順に並べています。
それぞれに対して書評を書いていきます。

  • Webアプリケーションアクセシビリティ

  • オブジェクト指向UIデザイン

  • UXデザインの教科書

  • UXデザインをはじめる本

  • UIデザインの教科書

  • 秒で伝わる文章術

  • デザイナーのための心理学

  • はじめてのUXデザイン図鑑

Webアプリケーションアクセシビリティ

なぜ読もうと思ったか

  • 2023年はじめくらいに界隈が注目していた書籍だったため

  • 業務でアクセシビリティ改善に取り組んだ経験があったため

  • エンジニア目線でUXを理解する入口になりそうと思ったため

学びになったこと

  • セマンティックなHTML・CSS、WAI-ARIAなどの具体的な知識の習得

  • アクセシビリティの取り組みは、人と機械に、やさしさを提供するため

  • いままでアクセシビリティスコアをあげる形だけの改善活動を行っていた

  • 視覚、聴覚などの障害をもった人のためのものづくりが大切という気づき

気持ちの変化

  • 狭義的なUX改善は学べた気がする

  • 自分が求めているUXと少し異なっている気がする

  • UX改善というのはUIをよくする活動なんじゃないだろうかと考える

  • よいUIのつくりかたを学ぼう

オブジェクト指向UIデザイン

なぜ読もうと思ったか

  • 良いUIのつくり方を学びたかったため

  • 悪いUIは何を持って、悪いと言えるのかを知りたかったため

  • 積読状態になっていたため

学びになったこと

  • 課題を抽象化し、オブジェクトを抜き出す作業がUI設計の本質

  • 課題をそのままUI実装してはいけない

  • DB設計、コード設計などの抽象化スキルは、UIにも適用できる

気持ちの変化

  • UIの善し悪しを言語化できるようになった

  • UIのつくりかたは学んだけど、UXってなに?が解決されていないぞ

  • 最初からUXというキーワードをダイレクトで学べばよかった

  • 回り道をしていた・・・

UXデザインの教科書

なぜ読もうと思ったか

  • UXに関することを体系的に知りたかったため

  • UX関連書籍の中でこの1冊読んでおけばokというものを求めていたため

学びになったこと

  • UXはユーザーの主観的なもので、ダイレクトにいじれるものではない

  • UXに対する設計手法をUXデザインと呼ぶ

  • UXデザインは小手先のアプローチではない

  • より良いUXを実現するために、プロセス、学問的知識を体系化したものがUXデザインである

気持ちの変化

  • 自分が求めていたものの正体は、UXデザインだと理解した

  • さまざまな知識体系を学んだおかげで、とても高い山が見えた

  • UXデザインなんもわからん

UXデザインをはじめる本

なぜ読もうと思ったか

  • UXデザインの教科書が、自分には早すぎた代物だったため

  • UXデザインの初歩を学びたかったため

  • Xで、UXデザインを学びたい人はこの本からはじめると良いと見たため

学びになったこと

  • UXデザインを現場ではじめるための基礎が理解できた

  • UXデザインを組織に広めるために闇雲に情報を拡散してはいけない

  • とにかく目の前のチームで基本的なユーザ分析からはじめること

気持ちの変化

  • UXデザインの解像度があがって、現場利用できる知識はついてきたぞ

  • 改めてUIについて知識を深めたい

UIデザインの教科書

なぜ読もうと思ったか

  • UXデザインをはじめる本の兄弟的な扱いで紹介されていたため

  • UIは色々実装してきたけれど、UIを体系的に理解できていないため

学びになったこと

  • 知っていたことや意識できていたことは多かった

  • 改めて言語化されたものを見れてよかった

気持ちの変化

  • よりよいUXの実現は、情報やUIをシンプルにして、ユーザーの負荷を下げることが大切

  • そういえば、UXライティングという分野もあるけど、何も知らん

  • ライティングを学びたい

秒で伝わる文章術

なぜ読もうと思ったか

  • 社内Slackでライティングを見直すきっかけになる投稿があったため

  • ちょうどライティングを学ぶタイミングと感じていたため

学びになったこと

  • 読み手ファーストで読みやすい文章作成が大切

  • そもそも人は文章を読まない

  • 情報を削いで、一瞬で伝わる文章にする

気持ちの変化

  • 世の中にある文章は、ユーザーファーストなものが少ない

  • UXライティングは、無い方がいい、無くて伝わるUIがいい

  • 丁寧すぎる文章や詳細な解説は、ユーザーにはやさしくない

  • より良いUXを実現するための武器が揃ってきた!何かが足りてない・・

デザイナーのための心理学

なぜ読もうと思ったか

  • UXデザインの教科書に、人間とむきあうためには学問的知識が必要になると書かれていたため

  • Xで、心理学の入り口としてこの本が良いと紹介されていたため

学びになったこと

  • 世の中に溢れている通説となっているもの(マズローの欲求5段階説など)は科学的根拠がない

  • 一次情報は、Googleスカラーで論文を確認する

  • データで表せないUX関連の裏付けとして、心理学が役に立つ

気持ちの変化

  • この本では、心理学とUXの裏付け的なものは得られなかった

  • しかし、心理学が体験設計のために十分に効果があるものと理解できた

  • 現場でUXデザインを実行するために成功例・失敗例を知りたい

はじめてのUXデザイン図鑑

なぜ読もうと思ったか

  • 気づいたらkindleの中にあったため(いつ購入したか覚えてません笑)

  • ちょうどUXデザインの事例を知りたいタイミングだったため

  • 現在進行形で読書中

学びになったこと

  • 事例をもとにカスタマージャーニーやペルソナをまとめる上でのノウハウが学べる

  • 世の中にある良質なサービスが、なぜ良いかが言語化されている

  • UXデザインをはじめる本で得た知識をさらに広げるために役立つ

気持ちの変化

  • 自チームでUXデザインを実行するための武器はそろえた

  • あとは現場で活用していくだけだ

  • 上手くいけば、本来やりたかったUXデザインの社内普及もできるはず

まとめ

クソ長文章すみません。
UXの解像度をあげたいと悩んでいる人の助けに少しでもなれば幸いです。
UXは難解で、人やその周りに発生する事象をケース・バイ・ケースで掘り下げることが大切です。
そして、銀の弾丸は存在しませんし、近道も存在しません。
プロセスを繰り返して、最善系に寄せていくことが重要です。
その取り組み方の体系として、UXデザインが存在します。
多くのユーザーにうれしいを届けるために、UXデザインをはじめましょう。
自分もまだまだUXデザインをはじめたばかりのひよっこですが、
これからも頑張っていきます。

繰り返しになりますが、UXの知識をつけるために、何からはじめたらいいの?と感じている人は、今すぐ「UXデザインをはじめる本」を買って、読みましょう。
それでは、よきUXデザインライフを!
ここまで読んでいただきありがとうございました!


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