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イーロンマスクが作るユートピア
イーロン・マスク氏が率いるテスラ社が、人型ロボット「オプティマス」を発表した。
かつてのイノベーションである二足歩行もいまやデフォルトだ。
オフィス内で荷物を運搬したり、じょうろを使って花壇の植物に水をあげたり、工場で作業をする、人間に同様の姿が披露された。
そして最大の驚きはその価格で、1台290万円で販売するつもりだ、とのこと。
人間はいらなくなる?
こういったニュースがあると出てくるのが、「人間不要論」だ。
年収290万円で人間を数年雇うのなら、1台290万円のロボットを購入した方がはるかに安上がりだということだ。
体調不良も人間関係のトラブルも起こらない、非常に合理的な判断ともいえる。
こうしてロボットが高度化していくうちに、取って代わられた人間はいずれ「ロボットにやらせるのはもったいない仕事」をやるようになる。
こうしてロボットに取って代わられない人間、ロボット、取って代わられる人間との間で格差が広がっていく。
私の未来
AIやロボットの発展について語られるのは、このようなディストピアの未来が一般的だ。
現に私のやっている英語教員という仕事など、もう半分はAIとロボットに取って代わられているようなものだ。
YouTubeでは無料で高品質の授業動画が見られる。さらに自動翻訳は日に日に精度が高くなっていて、音声識翻訳機があれば英会話に困ることもない。
10年後には今のように仕事をすることはできなくなり、50歳くらいで私は社会からお役御免になる可能性は十分にある。
これは当然全ての人に当てはまる。
ユートピアの可能性
しかしそこで、「AIやロボットにさせるのはもったいない仕事」を選ぶ人はいるだろうか。
AIやロボットに取って代わられない仕事はどんどん減っていく。そして自分は年をとっていくので、負ける可能性は年々高まる一方だ。
こんな「負けるまでやる戦」に自分から乗り込む必要があるだろうか。
生活保護を受けながら、お金のかからない趣味に時間を費やすという生き方をする人が増えていくだろう。
そうなれば政府が最低限の生活費を保証するベーシック・インカムに踏み出せる。労働や競争の意欲を削ぐことが懸念されているこの制度は、AIやロボットが仕事をするようになった未来では効果が高いだろう。
生活できなくなる心配がなくなったとき、私たちはどうなるだろうか。
リアルに想像してみてほしい。
誰もが、心置きなく好きなことをやるようになるだろう。
私も趣味に没頭し、勉強したり、noteを書いたり、筋トレしたり、植物を育てたり、好きなように生きる自分が想像できる。
AIやロボットが作るのはディストピアか、それともユートピアか。
議論するのは大事だが、未来のことに結論は出せない。だから今のAIやロボットの進化を止めることはできない。
それならば、楽観的と言われようが愚かと言われようか、前向きな未来を信じてみる方が人間らしいというものだ。
今やるべきことは、仕事をしなくて良いとなったときに思いっきり楽しめる趣味の芽を育てておくことだ。
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