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新年度を迎えるために学校の先生がやっていること

春休みから新年度開始の数週間は非常に慌ただしいです。中には、『学校の先生は春休みに休めていいよね』などと言う方もいます。しかし、春休みも業務により教員は多忙です。ここでは、新年度を迎えるために教員が行っている業務の一部を紹介します。

時間割作成

一番大変で重要な業務が時間割の作成です。時間割ができていなければ学校は授業ができなくなるからです。時間割は教員が組んでいます。専門の業者がやっているのでは決してありません。

教員の人事異動の確定と担当授業の確定が確定すると、時間割を組む作業が始まります。大変なのは、教員一人あたりの授業数が増加傾向であることと、複数校を兼務する非常勤講師が増えていることです。時間割は条件に従って組み上げるパズルのようなものです。一人あたりの授業数が増加すると、それだけ組み合わせた際の幅が少なくなります。兼務する非常勤講師の授業は曜日や時間が指定されていて条件が厳しいものです。厳しい条件が複数重なると、実は答えの無いパズルだったことが最後の最後で判明することも少なくなりません。

授業時間割には授業だけでなく、空き時間に担任会議、特別支援会議、生徒指導会議、などを入れていきます。ほぼ毎年私は時間割を組んでいますが、組み上がった時間割は、他に最適解はないだろうと思えるほどキツキツでギュウギュウなものです。

指導要録作成

その年度に担任をもった教員は、指導要録の作成に春休みを費やします。指導要録は学校が児童生徒の指導や学習の記録として作成・保管しておかなければならない公的な記録です。

指導要録には、様々な情報を書き込みます。成績はもちろん、クラスの係、生徒会係、部活動、資格・検定、所見(学習、行動、特別活動、進路などに関する児童生徒の様子の記述)等、生徒の学習履歴や行動に関する記録を記載します。所見は文章で書きます。この所見は誰も読まないであろうものにも関わらず、文体や内容を何度も管理職にチェックされて書き直すことがあります。教育効果のないこの業務に、春休みの貴重な時間の多くを割かれるため、所見は教員にとって負担なのです。

新年度計画作成

各分掌にて、新年度の教育計画を立てています。例えば、進路指導やキャリア教育の担当では、学校外部との連絡調整を行っています。講師による講座や講演、学校外での職業体験、就職進路ガイダンス、等予め数ヶ月前からスケジュールを押さえておかないといけないものが数多くあります。

生徒指導では、警察の方を招いての交通安全教室、性被害防止教育などの準備があります。これから県教委より必ず行うように求められているものです。新年度すぐに新入生に実施する行事のため、春休みに準備して置かなければなりません。

また、前年度の反省を受けて、◯◯教育などの見直しを行ったり、新規で行う業務を追加したりなど、改善をすることもこの時期に行います。

教室等環境整備

教室内の机や椅子を生徒人数分補充したり、壊れかけているものを入れ替えたりします。名簿番号のシールを机と椅子、下駄箱に貼ったりなども行います。清掃用具を確認し、掃除分担がわかるような掲示物を準備したりもします。

まとめ

新年度を迎えるために教員が行っている業務の一部を紹介しました。これらはほんとうに一部だけです。そして、全て教員がやっています。他にやってくれる人員がいないためです。

他にも

  • 中学校からの新入生情報の引き継ぎ

  • 教材発注

  • 名簿作成

  • 選択科目クラス分け

  • クラス分け

  • 修学旅行計画策定

  • 入学オリエンテーション

  • 各種入学書類のチェック

  • 式場準備

  • 生徒保護者向け各種通知作成

  • 校務分掌の引き継ぎ

  • 授業準備

などがあります。これらは春休みに準備しなければ、新年度の学校をスタートさせることができないものです。

この記事によって教員の仕事について少しでも理解を深めていただければ幸いです。

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