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先生になった人が直面する現実

教員採用試験結果が発表される頃でしょうか。合格した人はおめでとうございます。しかし、合格に浮かれていてはいけません。なぜなら、来年の4月から怒涛の日々が始まるからです。ここでは、4月から教員として働き始める人が直面する現実を紹介します。

過酷な現場

現場は想像以上に過酷である意味残酷です。右も左も分からない新規採用の初任者だろうと、学校では4月から一人前の教員としての働きぶりが期待されます。一般企業とは異なり、事前研修期間や準備期間はありません。あなたは教壇に立った時点でプロなのですから。

新年度の4月から、担任業務、授業、校務分掌、そして部活顧問の業務があります。業務は全ての教員に割り振られており、初任者だから、新規採用だからといって軽減はありません。むしろ若手や初任者にはより負担になるように業務が割り当てられます。また、正規採用された場合、通常業務と並行して初任者研修をこなすことになります。『子どもの前に立ったら誰でも立派な先生でなければならない』と言われます。業務に慣れるまでは、他の先生に追いつくために誰よりも長時間働くことが当たり前になります。

教員にのしかかる責任

勤務時間は一日8時間ほどです。しかし、勤務時間外であっても学校には子どもがいます。例えば、小学生が朝早く登校していたり、中学・高校生なら部活があるため夕方遅いと19時頃まで学校にいます。子どもがいる以上、勤務時間外であっても教員には子どもの安全を守る安全配慮義務があります。目を離して子どもが事故や怪我をした場合には、大きな責任を負うことになるため、決して目を離せません。気をつけてください。

クラスには最大40人の子どもがいます。その中で、特別支援を必要とする子どもの割合が増えています。人クラス2〜6人ほどでしょうか。それぞれの児童生徒は、極度に落ち着きがない、暴言や暴力を周囲の子どもに繰り返す、文字の読み書きに困難がある、対人コミュニケーションに困難を抱えている、IQが低く学習についていくことが厳しい、などの様々な困り感を抱いています。それぞれの児童生徒とその保護者のために、個別の面談や家庭訪問を行ったり、ソーシャルワーカーやスクールカウンセラーと協力したり、医療機関へ繋げたり、クラスの人間関係を調整したり、など対応を求められます。全て、そのクラスを担当する教員が責任を負うことになります。

部活

部活は相変わらず学校の中での教員の業務です。地域移行の必要性が叫ばれていますが、管理職や県教委は『無理だよね』と半ば諦めムードであり、学校の中で教員が部活を担当することがこの先も続くと思われます。

部活動は重要な教育活動であると捉えられています。そのため、授業や教員の校務より優先度が高いこともあります。教員が忙しかろうが、疲れていようが、『子どものため』『子どもがやりたがっているから』『先生なんだから部活をやって当たり前』『休みなど教員には不要』という理由で、逃れることは難しいでしょう。

プライベート

プライベートを確保することは期待しないほうがいいでしょう。土日は休日であり、勤務日ではありません。しかし、多くの先生が自主的に出勤しています。出勤しないと業務が終わらないからです。業務が終わらないと自分の首を締めますから、つらくてもやるしかないのです。管理職やベテラン教員につらさを零しても『自分たちの若い頃はもっと働いた』と武勇伝を語られ、つらさを理解されないこともあります。なぜなら、プライベートの休息や睡眠時間を削ってまでやることが、常態化しているからです。

まとめ

安易な気持ちで教員になり、ワクワク気分で4月を迎えると大変なことになります。どうか、覚悟を決めて教育現場へ入ってください。そして、どうか壊れずに生き残ってください。死なないでください。


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