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元作詞家のペンネーム

子曰く、看板は大切である

斎藤雅記…命名の由来

 斎藤雅記の名前、実はこれペンネームであります。デビュー作のリリースが決まった直後でした。忘れもしない…酒井政利氏と六本木を歩いていた際、六本木交差点、三菱銀行前での信号待ちで、
「ところで斎藤君、ペンネームはどうするの?」
と突然尋ねられました。何も考えず本名で始めるつもりでいる旨お答えすると、
「駄目ですよ、そういうことはちゃんとしないと。本名が悪いとは言わないけど、一応作家としての看板だからね。大事なことですよ。何かいい名はないか至急よく考えておきなさい。」
と叱られました。そんなものかと???でしたが、まあ中々ない機会かと幾つか候補を書き出し、自宅近所の書店で立ち読みしながら
字画の吉凶と照らしてみました。素人の簡易診断ですから当てにはなりませんが、一応最終候補に残ったものが二つありました。その内の一つが雅記の名、何処かガラッと変えてしまうことには抵抗を感じ、末尾一文字だけを変えたのです。最終的に何となくではありましたが雅記にしようかと…早速師にご報告に上がりました。
「雅記、それ凄くいいですよ。巨人の斎藤雅樹と音は一緒の一字違いでしょ? 斎藤君、それがいいですよ。よし、それで行こう!」
鶴…いえ、師の一声で私のペンネームは決定しました。

もう一人の自分が誕生

 実は酒井氏、大の巨人ファンで、ご出身大学の先輩に長嶋茂雄さんがいらしたのです。その当時の斎藤投手も立派なエースとして活躍されており、勝利に肖り縁起が良いと大変気に入ったご様子でした。最も私自身も幼少期以来の巨人ファンですから…その瞬間、私は作詞家「斎藤雅記」となった訳です。
 そして更なるご指示で名刺を作成。作詞家と書かれたそれをつくづく眺め、感じていたのは希望ではなく寧ろ不安だったように思います。そこからが本当の意味でのスタートだったのです。

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