これは戦争じゃない。

これは戦争じゃない。

これは戦争じゃないなんて、何を基準に言うものか。

戦争は、人が人を殺すものだ。

誰が誰を殺しても、【戦争だから】の一言で。

【殺人】ではなく、【戦争】と呼ばれるものだから。


これまでに、こんな酷い戦争はなかったなんて、何を比較して言うものか。

戦争は、いつ何時も惨いものだ。

何処に【軽い戦争】など在るのだろう。

当時を知らない者たちの多くは、

【戦争の真意】を軽く扱う。


これは戦争じゃない。殺人だ。と言う人も。

戦争は、公認の殺人だと気付いて居ないだけ。


これは戦争じゃない。大量虐殺だ。と言う人も。

戦争で、人が大勢惨い死を遂げることに注力して居ないだけ。


じゃあ訊こう。

殺人のない戦争があったか?

沢山のか弱い人間が、無惨に散っていかなかった戦争があったか?


【戦争は、程度を比較するものではない】よ。


戦争は、戦争でしかない。

いつの時代も、悲惨で、凄惨で、心貧しくあった事実だ。

その時代を祖父母、曾祖父母に持つ私達が、

感性を貧しく鈍らせ、

【今が最高に不幸だ】と、酔いしれてはならない。

今現在の不幸に鋭敏過ぎてはならない。

それが、先人たちが捧げた歴史だ。


私たち人間は、過去に幾つもの苦難を越えてきた。

過去生きた人たちから今を託されて生きる現在の人たちは、

先人たちが幾つも越えてきた難所に学ばなければならない。

それを何故、今の人々は、

【自分たちだけの不幸だ】と、嘆くのだろう。

これは、過去現在未来、全世界にとっての不幸の種だ。


大切なことは、慎みを持つこと。

全てを世界と分かち合うこと。


これは戦争じゃない、じゃない。

綻び始めた世界は、崩壊まで綻びていく。

だから、より、惨く感じるものだ。

それは、壊れた社会の認識がより壊れて、乱れた社会の規範が、より、乱れていくからだ。

【戦争は酷いものだ。過去現在、惨さを増していくものだ。】

今その、いっそ、正しいと言えるかもしれない感覚を持つならば、

【世界の人は、綻びていくだけの世界に生きて居てはいけない】。

【世界の人々が、手を差し伸べ合って、善良に構築する世界に生きなくてはいけない】。


私たちは、まだ、

【綻びていく世界に立っている】。

これは戦争じゃない。

それは、

【綻びていく世界に立っている人の言葉】。

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