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ライカでいちばん人気のなさそうなレンズが欲しかったのだ。

このところいろいろとややこしいことがあり、むしゃくしゃしてレンズでも買ってやろうかということになった。

いまあたかも誰かと話し合って決めたみたいに書いたが、単に僕が帰りの電車で決めただけである。頑張ってんだからそのくらいいいだろう、と。でもどうせ買うならライカ買うぞおれは。知らんからな。

買った。

で、買った。話はこれでおしまいなんだけど、せっかくなので新しく買ったレンズの自慢というか紹介をさせてください。

Summarit f2.5/50mm

ライカのレンズは高い。なのでいざとなると、僕みたいな小心者はなにを買おうかさんざん悩むことになる。

欲しい物ができてから悩むんではない、欲しい物がなくて悩むのである。
こんな贅沢なことがあるだろうか。

メジャーどころでいえばズミクロンかエルマーということになるだろう。ズミクロンは解放2.0の、エルマーは2.8の、ライカを代表するレンズである。値段でいうと、新品のズミクロンだと30万くらい、エルマーだと15万くらいだろうか。知らんけどそのくらいするわあほか。

もちろんどっちもいいレンズであることは間違いないし、どっちを買ってもハズレはないだろう。でもそれではちょっとありきたりではないか。

ズミクロンは誰もが憧れるレンズではあるが、逆に言うと頑張った人ならば誰もが狙うレンズでもあるのだ。おれが一番がんばってるんだからみんなと一緒じゃ嫌である。

ここは逆に、一番人気のなさそうなやつを買ってやろうと思った。

レアとかそういうことではなく、単純に誰も買わなさそうなレンズがいい。リサーチした結果、50ミリのズマリット、しかも現行のひとつ前の、開放f値が2.5という非常に中途半端なレンズがあるという。2007年に発売、2014年にはすぐにf2.4にマイナーチェンジしている。その0.1はなんなんだ。

最短撮影距離が0.8mと中途半端なのもわけがわからなくていい。

現行ではないので新品で買うことはできない。そこで中古を探すことになるのだけれど、なにしろ発売当初から人気のなかったレンズである。加えてすぐにマイナーチェンジされていてたぶん数も少ないんだろう。オークションを探してもまったく出てこなかった。

ズマリットといえばf1.5のやつが有名だが、その後にミニルックスというコンパクトカメラにf2.4でズマリットの名前が付けられたりしていた。それをいまさらf2.5で出すか。出したあとすぐに0.1明るくしてf2.4で出し直すか。無計画な感じがおれの人生みたいですごくいいなと思った。

そんな折、メルカリに設定していたアラートが新品同様の個体をキャッチした。これを逃してはいけないと思い、2秒で買った。

値下げ交渉も「いいね!」もせずに即買った。

届いたズマリット(Summarit 50mm)は小さくて可愛いレンズだった。金属製の角形フードがついていて、ライカでよくあるスリットの入った丸いフードよりも実用的である。ピントリングも昔ながらのゆびかけ式で使いやすい。いいぞいいぞ。さっそく撮影してみた。

あれ?

あれ、いいではないか。

もっとこう捉えどころのない写りなのかと思ったら、開放は平凡ながら絞るとパキっとして、それでいてどこか控えめで。何を撮っても楽しい。楽しいのは新しいレンズ買ったからだけかもしれないが、それにしてもかなりいい。

いい。

まず姿がいい。小柄でセクシーである。ボディに刻まれた文字も、現行レンズとは違ってクラシックなフォントを使っているらしい。なにがしたいんかわからんけどそれもいい。

なにしろ持ってる人がほとんどいないというのが一番いい。

というわけで、いいレンズ買ったわーという話でした。そのレンズで撮ってほしいわー、という人がいたら連絡ください。いちおうポートレートが専門です。

明日からまた頑張ります。

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