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日本酒~薫酒?爽酒?ちゃんとわかる?~

日本酒には薫酒、爽酒、熟酒、醇酒と4種類ありますが違いはちゃんとわかりますか?

(今回はただの勉強です。)



こちらは有名な分類表です。
(講習会に行った時のメモが入ってます。すみません。)

ではそれぞれについて説明していきます。
①爽酒
大多数のお酒が爽酒に分類されます。
主に普通酒系、本醸造系、生酒系が分類されます。
端麗辛口テイストで、香りは控えめですが新鮮で清涼感がある含み香を持ち、なめらかでみずみずしい味わいが特徴です。
刺激的な要素が少ないため、冷やしすぎてもこれらの要素が突出しすぎないので5~10度で、冷やしたグラスで飲むことが適しています。
因みに5度は雪冷え、10度は花冷えと表します。

②薫酒
大吟醸系、吟醸系が分類されます。
華やかな香りが高く、甘口、辛口様々なものが存在します。海外で人気のものも多いです。
清涼感のある香りが特徴で、冷やすことによって爽快さが映えますが、冷やしすぎると持ち味の香りが感じにくくなったり、酸味や苦味等の刺激要素が突出する場合もあるので8~15度でガラスの酒器で飲むことが適しています。
香りが控えめで旨味成分がしっかりしている物ならぬる燗も可です。
因みに、15度は涼冷えです。

③熟酒
長期熟成系、古酒系が分類されます。
複雑な練れた香りを持ち、とろりとした甘味や深い酸味、ボリュームのある旨味が合わさった力強い味わいです。
軽いものから重いものまで様々で温度設定は異なりますが、重厚な旨味成分を持つものほど高めの温度設定が適しています。
15~25度、または35度前後で飲むことが適しています。
因みに、30度は日向燗、35度は人肌燗、40度はぬる燗です。

④醇酒
純米酒系、生酛系が分類されます。
原料の米そのものを想わせる香りとコクのある味わいが特徴です。
こちらも飲用温度帯が広く、様々な飲み方があります。コクと旨味成分を持っているのでこの要素を活かして、旨味のふくらみが映えるやや高めの温度設定がいいとされています。
15~18度、または40~55度で焼き物系の酒器で飲むことが適しています。
因みに、45度は上燗、50度は熱燗、55度は飛びきり燗です。


これらは大まかな分類でここに含まれない物、分類が難しい物もありますが、大きくわけるとどこになるのかな?と気にしながら飲んでみると違った感じ方になるかもしれないですね。
是非試してみてください。




備考 生酛?山廃作り?

醇酒に出てくる生酛について。

珍しいお酒の、クリアタンクのお酒についての記事で日本酒の製法について出てきましたが、この中で酒母作りというものがあったと思います。
こちらは、蒸した米、水、麹、酵母、乳酸菌から作りますが、この乳酸菌は他の雑菌が繁殖しないように入れられます。
この大事な乳酸菌は、多くは人工物のものが入れられますが、自然物で作るぞ!というのが生酛作りです。
空気中にいる僅かな乳酸菌を繁殖させるために、米や米麹をすり潰す作業が必要なのですが、冬の寒い時期の夜中に何度も酒米をかきまぜ、すり潰すのは大変な作業らしいです。この作業を山卸しというのですが、この作業、最近では必要ないんじゃない?という説が有力になっています。
麹から溶け出した酵母が勝手に米を溶かしてくれる、ということで山卸しを廃止した、山廃作りに変える酒蔵が多くなっています。
何はともあれ生酛、もしくは山廃作りは、酵母菌の生命力が強く、余分な糖分を残さないコクの深い物になっているわけですね!

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