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君と最後に会った日

 いつがそれになるかわからないけれど、きっとその日が遠くないことはわかるし、ひょっとしたらもう最後に会った日は過ぎ去ってしまったかもしれない。
 二千年ばかり季節が巡れば世界のどこかで空から槍が降った日もあっただろうし、今日のことも明日のことも誰にもわからない。

 あなたはきっと誰かの期待に応えるのが苦手なひとだろう。
 世界のほとんどすべてがあなたの敵だった日、舞台の中央で静かに俯いて四面楚歌の合唱を聴いていた、その姿が最後になるならあなたらしいが哀しい。私は歌なんてどうでもよかった。あなたに会いたいというだけだった。
 あの日のあなたの想いを忘れないひともいる。
 それだけで歩んできた価値はある。

 努力は裏切るかもしれない。
 願いは届かないかもしれない。
 あなたに付き纏う翳がそんなことを囁きつづけるなら、今日は佳い方に傾きますように。

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