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5年ぶりに自著「ゆる仏道」を読みかえす

苦しんでいる身内にすすめようかと、5年ぶりくらいに拙著「ゆる仏道」を読みかえしました。

読むと、かたい者が必死でゆるめようとしておりました。不安に効く方法を本気で探ろうと切実で、そんなにはゆるくはない内容だったかもしれません。
もっぱら内観なのでやむを得ないかもだけどモノローグ多め、もっとダイアローグ(対話)形式の方が読みやすかったかな・・・と、つくった後反省しておりました。

作画は、産後2ヶ月ごろからダダーッと、ネームにほぼペン入れ一発描きで描いたからか、ゆるゆるです。魂のシルエットみたいになっちゃってる所があり、顔と体の境目をもうちょっとは描いた方がいいよと思います。あと反転してバランス取った方がクオリティ上がるよ・・・そして、背景が滅っ・・・!絵は当時の自分よりはうまくなったぞ。

未熟だけど一生懸命、苦しい不安(ストレス)をどうにかしようと調べて実践しようとしていました。
あとがきを読むとぐっと目頭があつくなりまして、ここに記します。

「ゆる仏道」あとがき

苦をゆるめたい。
生活の中でゆるいながらも、流産から出産にかけて切実にそう感じ、仏道を求めました。

生きていて苦しくなかったら、仏道を実践していませんでした。
流産していなかったら、このマンガを描いていませんでした。

仏道マンガを描いて、ブッダ先輩や己と向き合って、ささやかながら気づいたことは、「苦や楽は明滅している」
これまでイライラや不安で刺激的な苦しみばかりに注目し過ぎて、合間の安楽を見逃しがちでした。
地獄にとらわれて極楽チャンスを逃していた。

あと気づいたのは、「自分や他人をゆるせなかったから苦しかったんだ」
生真面目で特に自己否定が強く、偏った思い込みの正しさにがんじがらめになって、苦しんで参りました。

ブッダ先輩の教えは、苦のとらわれを解きほどいてくれます。
そのアドバイスを俗世にいながら活かそうとした、ゆるっと、ゆるめる、ゆるす方法『ゆる仏道』。仏教の厳しく律する面などなど抜けている所もあるかと思いますが、ご容赦ください。
ちなみに、仏教の文化(美術、文学、芸能…)もとっても面白いので、そちらから仏様の伝えようとしたことを味わうのも楽しくてオススメです。

このコミックエッセイは、宗派に分かれる前の、根本的なブッダ先輩の言葉をベースにしています。(初期仏教と言われたりします。)
その言葉は、宗教というより、苦しみを超えた大先輩が語る実践的な心理学、心と体のトレーニング法という印象を私は受けました。

主に中村元さんが訳された『法句経(ダンマパダ)』や『経集(スッタニパータ)』をより所にいたしました。
他、小池龍之介さんや、みうらじゅんさんの著作なども参考にさせていただきました。(詳しくは参考文献に掲載。)
原典のパーリ語を読めない凡夫にもお釈迦様の言葉を届けていただき、感謝いたします。

そして、『ゆる仏道』を見つけて出版する機会をくださったイースト・プレス様、漫画を描くのがほぼ初めてな未熟者を導いてくださった編集のS様、ありがとうございました。菩薩様かと思いました。
夫もノリノリで協力してくれて、ありがとう。
この本に関わってくれた、生きとし生けるものに(今は亡きものにも)、感謝です。

読んだ方の苦が少しでも、ゆるむきっかけになりましたら幸いです。
菩提薩婆訶 幸あれ

荒ぶる心をゆるめて生みました

流産後に不安を無くすよう描いたのをpixivに投稿して声をかけていただき、単行本化に向けて更にネームを描き進めながら「授かったら嬉しいし授からなくてもその人生を楽しもう」と執着を手放していったら妊娠して、本の終盤に無事出産しているのが、我ながらとても感慨深いです。

その子も5歳になり、作中少し触れた「西遊記」が大好きです。今は妖怪ウォッチにはまっています。

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Amazonなどでレビューを読んで励まされております。よろしければ、立ち読みだけでもぜひ。

生きづらい方、人間関係やHSP、聴覚過敏で悩んでいる方にも、実体験をもとに苦しいのをゆるめようとしておりますので、参考になりましたら幸いです🙏


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