見出し画像

社内にできあがったコミュニティ紹介

はじめに

リモートワークがスタンダードになった今の働き方は、ストレスであった移動時間がなくなり、プライベートな環境で、好きなスタイルで仕事ができる。集中でき、効率的で、気分的にも働きやすい。社内アンケートでも、働く環境については、概ね良い評価であった。
ただ、業務の点においては、そのような働き方で良くても、どういったカルチャーがある集団にしていきたいかという私の観点で考えた時に、リモートワークに拍車がかかると、必要最低限の業務をこなしていたら問題ないという集団になってしまうリスクがあると考える。能力や業務内容にしても、現状で満足してしまうという学習意欲や向上心がない集団になり業務で必要なレベル以上には上がらなくなってしまう恐れがある。

社内コミュニティで感じたこと

そのようなリスク回避のためには、社内コミュニティの存在が必要だと考える。社内コミュニティが成立する大事な要素としては、その参加者が「有志」であるかどうかである。読んで字のごとく、自らの意志が有ること、である。強制参加で、乗り気ではないのにコミュニティに参加させても意味がない。当人にとっては、無駄な時間を過ごしてしまっているという感覚すら生まれてしまうが、同時に他のメンバーにも良くない影響を与えてしまう。会社全体をコミュニティと捉えて、文化づくりをしているのだが、その社内コミュニティの設計者のやるべきことは、参加したいという「志を作り出す」ことではない。すでにメンバーの中にある「志を探し出し、集める」ことである。

NEWPEACE社内事例

この数ヶ月で、実際に生まれた社内コミュニティを紹介する。

・NLC(NEWPEACE LEARNING CLUB)
その名の通り、「学習」という行為にストイックな者たちの集まり。本や論文を読んで議論する、読書会スタイルで学習を積んでいく。当然ながら、この会には本を読まなければ参加する権利はなく(ROM専は許されているようだが)、メンバーは「本を読まずに学習や成長などありえない」という信念を強く持っている。ピリピリしているのかと思いきや、会の雰囲気は意外に気さくで和気藹々としている。また、未だ公開されていないが、会での議論を配信したい願望があるらしく、密かに録音データを貯め続けているらしい。ストイックなだけにコアメンバーは間違いなくNPの成長を引っ張るメンバーであり、経営判断につながるようなラーニングや、経営陣のバイブルになるような本がこの会で発掘されている。NPのカルチャーでもある「Change is Growth」を体現している存在。

・ECレンジャーズ
各Company(一般的に事業部と呼ばれるもの)でECの運営に携わるメンバーから構成されている。ノウハウやアセットをシェアして、実務の効率アップや無駄の削減を目的として、自然発生した集団。マニュアルを作成したり、ナレッジ共有のためのFMTを開発し、蓄積させている。非エンジニアの集団だが、アジャイルなプロジェクト管理を実践するなど、IT領域の知見の吸収にも貪欲。、5人いたからという理由のみでレンジャーと命名されたが、レッド的キャラクターが存在せず、全員がイエローポジションで参加している。関係各所と調整して、小口現金管理の全社ルールを制定するなど、良い意味で現実的な成果を生み出すことに秀でた集団。

・雑談部屋
不定期でお昼の12:00-13:00に開かれるzoomの雑談部屋。いわゆる、どこのオフィスにも一角はある休憩スペースのような空間。参加を強制しておらず、ROM専でラジオのように聞いても良いし、家でご飯を食べながらつないでも良い。自宅でリモートワークしているメンバーの家族が乱入したり、ペット自慢の時間になるなど、ハプニングも満載。部屋の主によると、誰も参加してくれないことも多く、そういう時は1人作業に当てているが、それでもzoomにつないで置くことが重要らしい。

・「斜めのN」毎週火曜夕方5時からの配信番組。
自主ラジオ番組。ノリが良くテンション高めのメンバーで、インターネット文化バリバリ2人と、学生時代スポーツしかしてこなかったために「陽キャ」という言葉も知らず、「orz」の読み方さえわからない人間(自分です)がいじられながら、会社のことを独自に斜めに読み解く番組。テーマなどは設けず、気軽におしゃべりを繰り広げる。8月から開催しているが毎回多くの会社メンバーが訪れてくる人気番組。

・Gender Talk
ニューピース初の、女性社員の妊娠をきっかけに発足したコミュニティ。社外からロールモデルになりそうな先輩をゲストに招いての座談会、Femtech領域でVisioningを仕掛けるパートナー企業や産婦人科の先生と協働で、「女性ホルモンと体の関係」や「プレコンセプションケア」といった女性のキャリアを考えるにあたって重要な知識について、連続講義を実施、クリエイターや起業家などを中心とする有志で、ジェンダーギャップについて語るミートアップを実施、など、活動内容を模索中。


リモートワークが中心であることもあり、まるでラジオ番組表ができていっているようだ。全員が何かの社内コミュニティに属している状態になったら学習の機会が担保され、個人も組織も成長することができる。


「コミュニティ・オブ・プラクティス」

コーポレートのチームのバイブルとも言える、「コミュニティ・オブ・プラクティス」という本に、このような一節がある。

実践コミュニティは、マネジャーが一方的に召集するチームとは違う。実践コミュニティの成功は個人の情熱に負うところが大きいため、参加を強制しても効果はない。コミュニティへの加入は自発的でも強制的でもよいが、実際に関与する度合いを決めるのは個々人なのだ。その意味では、参加は自発的だと言える。参加を奨励することはできるが、活気に満ちたコミュニティの条件である個人の献身は、人為的に作り出したり強制したりできるものではない。

引用:コミュニティ・オブ・プラクティス: ナレッジ社会の新たな知識形態の実践(P74)
著者 ウィリアム・M. スナイダー、エティエンヌウェンガー、リチャードマクダーモット

実際に経験しなければ、流してしまったかもしれないが、試行錯誤を根気強く続けていく中で、たどり着いたことと、驚くほど、同じことが書かれていた。今僕は、まさにコミュニティ・オブ・プラクティス(=実践コミュニティ)づくりに奮闘している。

▼NEWPEACE 

NEWPEACE note マガジン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?