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プロデューサーから未経験のコーポレートへの異例の転換。

染谷英輝

突然の電話。

僕がNEWPEACEと関わり始めたのは、2017年の2月。はじめの1年間は卓球メーカーVICTASのリブランディングを中心として業務を委託されるパートナーとしてだった。1年後の2018年4月には、社員プロデューサーとして入社。さらに翌年の2019年10月には、一転してこれまでのプロデューサー業務からコーポレートチームの専任になった。

コーポレートはいわゆる、総務、人事、広報、採用の領域のことを指しており、みんなが行っている業務以外は全て管轄になってくる。前職も含めて、特にこれまでコーポレート分野の業務をやったわけではなかったし、日々何をしているのか会社の内部にも外部にもなかなかわかりづらい分野である。

今でも覚えてる、専任になって欲しいと連絡があった夜を。あれは新宿の
「道しるべ」というかなりディープなエリアにあるディープでめちゃうまな焼き鳥屋さんで友人と飲んでいる時だった。なんてったってその裏の道の名前が「思い出の抜け道」であるw

その日の仕事終わりに僕はオフィスでDIYをしていた。オフィススペースの内部扉が開閉時いつも力任せになり、「バタン!」という大きな音をたてて閉められていた。その度にオフィスで作業しているメンバーは「ビクッ!」とするのであった。毎度毎度不快になるのは嫌だなと思ったので、ドアにゆっくり閉まるパーツをamazonnで注文した。電動ドリル使う作業はむしろ好きなので仕事終わりにサクサクっと設置し、ドアがゆっくり閉まるようになった。

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オフィスには歓声と拍手が起こったw
slackではメンバーからのは称賛のスタンプの嵐。QOLが向上したとまで言
われた

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その日の夜である。ここは「道しるべ」23時。
代表の高木から着信アリ。何かトラブル!?何ごとだっと思ってすぐに折り返した。話は、最近の会社のこと、メンバーのことをさらっと早めに話すなり、「会社の組織やカルチャーを作っていくためにコーポレート専任になって欲しい」と言われた。どうやら今日のドアのDIY作業を見て、専任にすることを閃いたと言っていた。会社として人数も増えてきている段階。このタイミングで会社の文化を作らないと今後大きくなった時に空中分解してしまうという危機感は同じく持っていた。だが、コーポレートって言われても・・・。というのが本音。

何をどうやって、どう活躍して、どういう未来を目指せば良いのか全くイメージが沸いていなかった。何より、いやいや、プロデューサーとして結構ポートフォリオになる仕事してきたんだけどなぁ!wとも思った。

↓VICTASリブランディン時に書いたWantedlyの記事。広告代理店の友人から社内で回ってきたよとまで言われたのでそこそこ読まれたかと思う。

(話は戻り・・)翌日に経営陣のロングMTGがあり、それをやる前に決めたくて、早い方が良いと思って夜電話したと言っていたが、「No」という選択肢は残されていないように思えたし、高木は突き進むタイプの人間だし決断力においては信頼もしているので「まあ、シンペイ(高木)がそう考えるなら・・」と僕は言った。いつか言われた言葉を思い返しながら。

天職というのは、自分はさほど頑張っているつもりではなく、普通にやっているだけなのに周りからすごく感謝される行いなんだよ。
だから、染谷は人事とかに向いていると思うな。

これは、この日から遡ること数ヶ月前に行われた合宿で高木に言われた言葉だった。なかなか想定外の言葉だったので、今でもはっきり覚えている。ましてや、今思うと電話で言われた時のこのシチュエーションをはっきりと覚えているという程、僕にとって大きい出来事だったんだなと改めて思った。

天職という話を思い出し、自分自身の新しい挑戦なんだなと割り切る気持ちと今の会社のフェーズ的に会社には必要だよなとある種自分を納得させる気持ちが半分半分くらいであったが、その電話で承諾した。

苦しみ、もがく中での兆し。

とは言え、専任になって右も左もわからぬまま、ましてやNEWPEACEにコーポレートの先輩がいて業務を引き継ぐなんてこともないまま、思いつくことをやっては、「あれ?俺、何やってんだろうな」という思いばかりが負債のように積もり積もって行った。今では、完治したのでネタとして話せるが、突発性難聴にもなり片耳が聴こえなくなった。よくミュージシャンがなるあれである。

周りからは便利屋さん的なイメージになっているだろうな、この作業アルバイトを雇った方が会社的にもコストを抑えられて良いんじゃないだろうか。。なんて色んなことを毎日考えてたら耳も聴こえなくなるだろう。

と、まあなかなか苦しんだのだが、ようやく光が見え始める瞬間が訪れる。僕は6歳から約15年間、小中高大とソフトテニスを真剣に取り組んでおり積み上げの努力型の人間である。(一応、小中では全日本ジュニアチャンピオンにもなっている)そのような気質を持ち合わせており、一度自分で決めたら目の前のことに無心でひたむきに取り組むことができる。

ブレイクスルーは、それがまさに活きた「凡事徹底」であった。

この転換の起源でもあるドアDIYのような改善をめちゃめちゃ積み上げることである。「Corporate Growth Hack」と称して、オフィスの中のことを改善しまくろう、数字として100個改善しようというものである。この改善を細かく書くのは長くなるので割愛するが、凡事徹底を積み上げていく中で、僕は、自らのVISION(=信じること/信じる未来)が鮮明になるのを感じた。

自らの信じる未来を掴む。

NEWPEACEの組織は事業ごとのカンパニー制を導入しており、それぞれの事業ごとにVISIONがある。同じようにそれを司る個々人のVISIONも重要で非常に大切にしている。故に自らと向き合い、それを自分の中から見つけだす行為がNEWPEACEにはある。

その手助けとなるツールとして、VHS(Vision Hacking Sheet)なるものがある。自らのVISION(=自分自身に置き換えた時には、ゴールデンサークル理論で言うWHYがわかりやす)と会社/各カンパニーのVISIONの交差するところを時間軸に沿って落とし込み最終的には、半期のコミットメントを規定するシートとなっている。

自分自身のVISIONと向きあうことをNEWPEACEと関わるようになって何度もしてきたが、多少痛みが伴う。僕でいうところの約半年、片耳が聞こえなくなるまで苦しんだ時期である。

自分にこれまでどのような原体験があり、それによってどのような価値観を大事にしているか、どんなふうに物事を考えるか。たいてい自身に大きな影響を及ぼした出来事は、ネガティブなことの方が多いのだが、その出来事と20代半ばや後半で気づかないうちにその影響を受けて自己形成した後で、改めて向き合う作業は、過去の自分を壊す行為でもあり、ある種の痛みを伴う場合がある。

しかし、再び自己を見つめ強固に積み上げ、VISIONを自ら掴んだ時には、真ん中にしっかりとした軸ができ、周りを巻き込み、突き進む強さを得ることができる。僕自身も幼少期の育った環境や打ち込んだスポーツによって凡事徹底をしていく中で自分を見つめ直せた。

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「おかげさまで」という言葉は、皆さんも聞いたことがあると思う。今では頻繁には使わなくもなったかもしれないが、相手に対して謙虚に感謝するときに使う言い方である。いろいろな解釈やそこから広がる信念は僕もたくさんあるが、自分の言葉として言い換えると、

「今、自分がこの瞬間、ここに在って、こうして生きていけるのは、全ての周りの人や物、事のおかげである」という感謝と尊敬の念を持って生きて行きたいという事である。

日々の些細な業務も「やってあげている」のではなく「やらせてもらっている」だし、毎朝始業の約1時間前にきてオフィスの清掃を半年続けたのだが、テーブルを拭いている時もトイレ掃除している時も決してオーバーな言い方ではなく、感謝の気持ちを持ってしていた。自分の信念としては、その精神によって積み上げられることは全て自分自身を作る行為となり、立ち振る舞いや漂うオーラにつながると思っている。この話は、たくさん書きたいが脱線しそうなのでまた今度にする。

と、まあ言葉として紡ぎ出したのはここ半年なのだが、この心は自分の中にすでにあったものである。

幼い時でいうと実家が農家として育ってきたので、食べ物を大切にしてちゃんと感謝していただくというのは人一倍教わってきたし、ずっと打ち込んでいたソフトテニスでも引退時には初めて心の底から周りの人とたちに感謝の気持ちが溢れてきた。ここ5〜6年のめり込んで、ライフワークと化したトレイルランニグも雄大な自然の中に身を置くと、自分もその一部であると感じ、生かされているという感覚になる。

↓トレランの最大の挑戦の話。ここでも積み重ねって言ってるね。


これまであった自分自身を形成している価値観や美徳が自然と一つに落ち着いた言葉が「おかげさまで生きる」であった。

さらに、信じる未来として、この感謝の心を持てば、人は助け合うことができると思っている。一人の力では実現できない事でも、共感してくれる同じ志を持つ仲間と共に行動すれば、世の中の大抵のことは良い方向に持っていくことができるだろうと信じている。

これまでの多種多様な業務を行ってきたけど、常に大切にしてきたことは、人との関係づくりからスタートすることだ。仕事よりも以前に信頼できる人間だって思ってもらえなきゃ意味ない。仕事したいと思ってもらえるか、気持ち良く会ってもらえるかが全てだと思っている。これも同様の「おかげさまで生きる」と通じている考え方である。つまり、プロデューサー業務の僕のスタイルも、この考えに通じていたのである。

コーポレートチームが信じる未来。

自らのVISIONを紡ぎ出すことができたら、それまで凡事徹底してきたコーポレート業務にも変化が生じた。自分自身に軸を掴むことができたのでNEWPEACEをどのような組織にしていきたい、そのためにはコーポレートチームはこのようなVISIONを持つべきだという考えが自然に出てくるようになった。半年前では信じられない思考の変化でる。僕らコーポレートチームのVISIONはこちらである。

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NEWPEACEは、会社のことも指しているが、新しい平和(=自分たちが信じる未来)という二重の意味を持たせている。

・当事者を波紋状に増やしていく
主語を省略しているが、そこには当事者を増やしていくという願いが込められている。まずスタートは、僕も含めたコーポレートチームのメンバーであり、そこから全社メンバーに広がる。ここまでは当然であるが、うちの会社の特徴でもあるが、そこから一緒にプロジェクトを推進している外部メンバー、さらには協業しているクライアントにも波及する。最終的には、社会というところまで見据えている。VISIONを大切にしているからこそ、信じる未来のために仲間として一緒に取り組む。そこには社内/社外、協力会社/クライアントという隔てはない。

・継続的に「great」な状態であり続ける
greatってどういう状態?抽象的じゃない?って声もあったが、その答えは、それぞれみんなの中にあると思っている。与えられたものを目指すということではなく、そのgreatは、自分が信じるgreatで良いし、その抽象を具体にして欲しい。環境や自らの変化に適応し、仮設検証しアップデートし続ける事が重要である。

みんなが自分の信じる未来を主体的につくろうとし続けている状態という点は、ティール組織の考え方に近い。先にも触れた「おかげさまで生きる」精神をみんなが一定持ち合わせれば、自然と助け合いが生まれると信じている。それは自発的な個人であり、その集合体は自律的な組織だと思う。この状態であり続ける事が、コーポレートチームが信じるVISIONであり、組織として自律的に進化し続けるgreatな未来である。

個人とコーポレートが重なり合う。

コーポレートという立場になったが、これまで述べた通り、自身のVISIONを勝ち取り、コーポレートと一体となった考えはとてもシンプルになっている。コーポレートに所属する染谷ではなく、染谷自身がコーポレートなのである。自分たち、相手、周りの人たちや、社会や環境にとって自らが良いと信じる行動をしていくだけであり、素の自分の行動そのものが活きているという実感もある。

先日5月25日に緊急事態宣言も解除され、約2ヶ月実施してきた在宅勤務も6月以降緩やかに変わってくる。それは形だけ見ると出社して働くか出社しないで働くかの違いだけであるが、会社の役割や意味は大きく変わったと思う。物理的に集まることの意味、会社が社員に与えられる価値、その中で会社に所属するということはどういうことなのか。

当然それを担うコーポレートの役割も変わっていかなければならない。今後、僕たちが信じる未来をつくるべく、コーポレートの既成概念を壊し、アップデートし続けていく。挑戦はまだはじまったばかりである。

▼NEWPEACE 

NEWPEACE note マガジン
会社の事業ごとやそれに携わる個人ごとに発信しているので是非読んでみてください。

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