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NEWPEACEのコーポレート部門における、コロナ禍で変化したこと。

今回も実録形式で書いていこうと思う。実際にコロナ禍の働き方の変化に対して、何を行っていたかを個人的な学びや感想、改善策を含めた形で整理した。

1:会社というインフラと、その上で動く個人の境界線

・郵便物処理
会社が3月末決算と言うこともあり、4月はいつも以上に郵便物が多かった。これまで、郵便物は担当者が対応していたが、緊急事態宣言下では、僕が処理するしかない。
朝9時に出社しても、全郵便物の受取り、内容のチェックと仕分け、関係者への確認、対応の代行など、以前は分担されていたタスクを一人でこなしていたら、お昼をすぎていた、というのはザラにある。郵便物対応を、必ず出社している自分に集約するというワークフローは運用されるようになったが、今後は、効率を追求しないと、自分の出せる価値が減ってしまう。契約書のオンライン化など、抜本的な対策を検討、開始している。

・電話対応
コロナ禍以前は気づかなかったが、これも本当に多い。1時間のオンライン会議中に3本電話が入ったこともある。8割近くは営業電話だが、残りは対応が必要なものなので、無視するわけにも行かない。どうしても対応できない時は、留守電の設定にもしたが、根本解決にはならない。代表電話の公開をやめ、問い合わせフォームで対応するなど、コミュニケーションのチャネルをコロナ環境下に合わせて最適化する必要がある。

・学び
今まで緩やかに分担されていた業務の多くが、リモート化により、インフラ側で対応せざるを得なくなった。これは、業務量が純増すると言うことであって、その分、他業務が圧迫される。だからと言って毎晩徹夜するわけにもいかないし、この状況下でコストセンターを増員するわけにもいかない。業務の整理、分担の見直し、自動化、非同期化など、あらゆる手段で効率を向上し、重要だが緊急ではない業務(組織づくりやカルチャー形成)を後回しにしない、業務コントロールが必要になってくる。腕力でこなせるレベルを超えてきた感覚があるので、手始めに、コーポレートチームのプロジェクト管理をアジャイル化することにした。トランプのようにタスクカードを作っては配る毎日である。

2:社員の安全に関する責任

・マスク/トイレットペーパーの確保と配布
連日ニュースに取り上げられていたが、マスクとトイレットペーパーが街から姿を消した。ニューピースでも、どうにかこうにか必要な分を入手し、メンバーの各家庭に送った。以前は、「健康管理も仕事のうちだから、具合が悪かったら、休んで治そう」ということを言っていたのだが、コロナ禍で思い知ったのは、健康管理は個人の義務ではあるが個人のみの責任にしてはいけないということだ。ニューピースのオフィスには、6curryがキッチンを構えている。メンバーが感染した場合、消毒作業を専門業者にお願いすることになるし、6curryの会員さんにもお知らせする必要がある。風評被害も免れず、客足は遠のくだろう。そのような責任を、個人が負うことはできない。感染者を出したら、その責任は会社も負う、ただ絶対にそうなってはいけない、ということを考え、行動した。

・シェアサイクル導入
昨年12月からシェアサイクルを法人契約している。3月以前は使用率が低かったが、出社やオフィス拠点間の移動など、ようやく利用されるようになってきた。人が多い公共交通機関の利用を回避するための良い手段である。ただ、シェアサイクルにも不便な点はある。どの自転車もほとんどが充電不足だし、古い車体が多く、パンクやブレーキの不調などもある。充電不足のためポート間を乗り継ぐこともあれば、利用頻度が低いポートまで行くこともある。ドコモシェアサイクル事業者の方が見ていれば、1ユーザーとして是非、声を吸い上げてもらいたい。

・学び
「人が資本」「社員の健康が大事」と言う耳ざわりの良い言葉はあるが、本気度が重要になってくる。「ありがとう」という言葉も、目も見ずに、背中越しに軽く言う言葉と、命の恩人に向けて心の内から出てくる言葉は全く違う。コロナを経て、家族、友人、行きつけの飲食店、地元の街など、自分が本当に大切にしているものを見極めた人は多かったのではないだろうか。大切な人や物、事に対して、自分がそう思っていることを言動で示すことが重要だ。行動しなければ伝わらない。健康管理は個人の義務ではあるが、それを個人のみの責任に帰さない。思うだけではダメ、アクションが全て。

3:情報の取り扱い方

・あらゆるものをアーカイブ化
リモートワークを日常とした働き方は、ちょっとした会話が生まれづらい状況である。何でもテキストや写真に残し蓄積していく習慣が大切だ。議事録もフォーマットを導入して効率的に行う。また、これまで優先順位が上がらなかった、コーポレートwikiの構築にも、プロジェクト化して本腰を入れた。いつでも誰でも同じ情報にアクセスできるということは、情報の透明性と業務効率化に重要である。wikiにはゴールはない、日々少しずつでも更新し続ける。

・不透明をなくす
リモートワークは一見すると、どこで何をしているか分からない状態になる。メンバーのカレンダーを見て空き時間に打ち合わせを入れても、実は移動中であったり、打ち合わせ直前の作業時間であるから調整できないということがあった。これまでは同じ空間にいたので状況を見て、声をかけることができた。しかし、今は、公私の空間と時間が混在している上に、その様子がお互いに見えないことによる、コミュニケーションコストが爆発的に増している。コーポレートチームは、率先して全ての行動をカレンダーに落とし込んでいる。移動、作業、私用、所在地、zoomのURL、など、ひと目で分単位で状況がわかるように、意識している。

・こまめなリアクション
slackでのちょっとしたコメントやスタンプなどの意味合いが非常に大きくなった。何にでも、全員から意見が必要なわけではないが、目の前にいない以上、「読んだ」の意味を込めたリアクションがないと、その後の動きの効率悪化は避けられない。今後は、名刺交換のマナーなんかより、ずっと大切な行動様式になるだろう。

・学び
3ヶ月近くの在宅勤務を経験したことで、いかに、これまで自分たちの管理や伝達がその場(=オフライン)に依存していたかを痛感した。それは、コミュニケーションという、非常に不確実で難しい行為に対する、甘さだったと思う。非常事態宣言下の対応は、IT界隈の企業がとても早く柔軟であった。新しいコミュニケーションテクノロジーや、仕事の進め方を吸収するという姿勢が欠けていたと気づくことができた。自分たちの成長を早め、他と差別化できるレベルに到達するために、慣れ親しんだやり方に甘んじることなく、学ぶ姿勢を持ち続けなければいけない。

4:コミュニケーション(=リモート)リテラシー重要性

・不慣れなツールもとにかく触り続ける
在宅勤務が導入されると同時に、zoomが働く上で必須になった。僕は、人見知りせず、おしゃべりも好きだが、画面越しの人に、どのようにリアクションとれば良いのかわからず、戸惑うことが多かった。普段よりテンション高めくらいがちょうど良いとよく言われる通り、普通にしているだけでは「今日元気ないね?」と余計な心配をされる。全社会議でも、チャットのコメントを巧みに拾いながら、Youtuberのように流暢に話すメンバーもいる中、コメントを拾う余裕など全くなかった。ただ、数をこなせば、慣れてくるもので、テンションの上げ方も理解したし、モニターごしのちょっとした仕草や、声のトーンなどで、相手の状態もわかるようになった気がする。

・全ての会議で”オペレーション”を追究する
オンライン、オフライン、自宅、カフェ、働き方を個人の裁量に任せている。多様な環境からの参加者がいる会議で一番気を使うのが、音の問題だ。参加者の増加に伴い、トラブルの可能性は、指数関数的に高くなる。一度でもそのような状態になると途端に全員の集中力が切れる。議事録のとり方などは散々議論されてきたが、会議の生命線は、もっと根本的なオペレーションが左右する時代になった。対策の一環として、ニューピースでは、欲しい音だけを拾いやすくするため、指向性が高く、PCから切り離して動かせる、マイクを導入した。

・学び
余裕ができたのか、最近は、オンラインにしかできない演出について考え始めた。自分自身の気分を上げたり、自分をこう見せたい、アイスブレイクとしてこの話を仕込むと言ったテクニックは、オフライン限定のものではない。家を隠すために背景を設定するのではなく、思わず質問したくなる画像にする。音を良くするためだけのマイクではなく、卓上スタンドを装備し、ラジオパーソナリティになったかのように話す。(これは実体験済みで自分のテンションが上がって面白い。)ちょっとした工夫で、機能的にだけでなく、感情的にもより実りある時間を過ごすことができる。むしろ、環境をハックして演出できる要素は、オンラインより増えている。

さいごに

まだまだ試行錯誤の連続である。最近は幼少期から続けていたテニスの感覚に似てきたなと感じることがある。最初から上手くいかなくて当たり前。どうやったら上手くいくかを考えて、何度もトライして、ちょっとずつ改善していく。

目標は全国制覇と掲げて良い。

でも、そこへ繋がる道は、目の前の一球なのだ。

▼NEWPEACE 

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