ブームを追って個性を消費するな
”越境者”による”越境思考”、今回は「ブームを追って個性を消費するな」ということについて。
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ブームに後から乗っかる人、そこのあなた、どうですか?
そういうことをやめなさい、という話。
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インバウンドブーム、カフェブーム、タピオカブーム、シェアハウス/ゲストハウスブーム、ポートランドブーム、Youtuberブーム、デジタルトランスフォーメーション…巷にあるブームを数えればキリがない。ブームに後から乗ると、翻弄されて自分が文字通り「消耗する」。削られて、小さくなっていく。
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(1) ブームが見えた時点で全ては後追いとなる
(2) ブームに乗ったビジネスを追うと個性が消える
(3) 小規模でもあなたの具体的な顧客、ファンを見つける
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(1) ブームが見えた時点で全ては後追いとなる
そのまま。ブームで戦えるのは、ブームを作った側と、資本力がある側。それ以外の小規模の後追いは「抜ける」ことはできない。ブームは誰かがつくる。つくった人は先行者で、残りは後発。だから、スタート時点から誰かのコンセプトを追うことになる。
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資本力がある場合は、人のコンセプトを借りて、大量資本投下して、コンセプトを精緻化したり、スピードを上げたりして、一気に利益を拡大して回収できる。それは大企業の理論。あなたにできる?できたとしても楽しい?
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(2) ブームに乗ったビジネスを追うと個性が消える
何?それでもブームに乗るの?
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だいたい、ブームへの後追い話は自分の周辺にいる友人・知人などから声がかかって始まる。「あれ、流行ってるじゃん?一緒にやらない?」という感じ。経験あるよね?ここから、あまり深く考えずに後追いチームに入ると後でツケを払わされることになる。
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なぜなら、ブームに乗ることは自分の個性を殺すことと同義だから。ブームとは世の中の大多数がそのコンセプトに共感して価値を感じた結果によって生じる。割り切って言えば、ブームになるビジネスは大衆ビジネス。
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大衆に向けたビジネスというものは角が丸くなる。なぜなら、大衆というのは、世の中の平均値、中央値であり、そこに向けたサービスも平均的なものにならざるを得ないからだ。大衆に向けてブームを仕掛けた少ない側と、大多数の後追いがつくり上げた「平均」を皆が目指す。もちろん、あなたもそう。
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あなたは、大衆が望む「当たり前の似たような価値」そのものを提供することになる。その価値を生み出すチーム自体が似たような何かを提供する集合体となり、あなた自身も似たような何かになることを強いられる。それはいつでもどこでも誰とでも変えが効く存在になるということだ。
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ブームは同調圧力を生み出す。その中であなたが唯一、自分自身を差別化できる、個性を主張することができるとすれば、その価値を提供する瞬間のあなた自身の個性でしかなくなる。簡単に言えば、「うちのサービスはどこでもやっている。ハードは変わらないけど、ソフトはあなた自身。あなたの個性を最大に発揮してお客さんと接してみて」とか、後追いの経営者は言うだろう。
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ブームを後追いして平均値をつくり、勝負するのは働く人の個性…
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何かおかしくない?これって結局、あなたたちがみんな嫌な気持ちになったり、時に全否定している大企業そのものの構図と同じなのでは?そして、大企業ほど資本力がないのであれば、それこそ大企業にも劣る環境に身を置くことになるのでは?そして、小さなチームからの「後追い」は成功しないことは(1)で書いた通り。
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(3) 小規模でもあなたの具体的な顧客、ファンを見つける
「流行っているから一緒にやろうよ」という言葉に乗らないこと。乗った瞬間にその列車はレールの上を走り出し、あなた自身の個性はその軌道や速度の調整には使われず、外から見ている人にとっての安心材料とされる。自分自身が満員電車に乗り込む動画がtwitterに誰となしにアップされ、それを大衆が見てなんとなく時間を潰す用途に使われる。
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それよりも、あなた自身が提供できるものを探し、それを必要としている具体的な顧客を見つけて、直接満足させること。大衆でなくても良い。むしろ大衆ではない方が良い。例えそれが2, 3人だったとしても、それはあなたに価値を見出してくれる大切な顧客だからだ。
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事業開発の用語では彼・彼女たちのことを「プライマリーカスタマー」と呼ぶ。最初にあなたに対して価値を見出し、実際に価値の交換をしてくれる人たちのことだ。それが生まれた瞬間を「シンギュラリティ」と呼ぶ。ゼロイチが発生した瞬間、あなたにとっての宇宙の誕生だ。
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あなたにはあなたにしかできないことがある。あなたにしかできないことを、直接提供してゼロイチを起こす。あなた自身のビッグバンを発生させ、そこからあなた自身の宇宙が始まる。
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あなた自身が価値を創造してそれを提供することはとても孤独なことだ。
一方で、人間は一人で生まれ、一人で死んでいく孤独な存在だ。
(孤独との向き合い方については別途書き起こす)
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人がやっていることをやらないこと。
人に声をかけられてもやらないこと。
自分が直接価値を提供すること。
1人でも良いから自分の価値を購入する顧客を見つけること。
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自分の宇宙で生きなさい。
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