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Living in the moment, not living for social media... - 89年のRave Partyの動画が美しい -


まずはこれを観て。てか、観な。

Kinolibrary Archive Filmという、イカれた映像や動画のみを保管するという素晴らしい目的で設立された機関が持っているクリップの一つで、映像と音声をクリーンにしたものだそうで、1989年のレイヴパーティなんだけど、いわゆる"Illegal”なものだそうだ。

とりあえず3分、音楽に興味が無い人でも2分は観て欲しい。


これなんだよね。
分かる?

かかってるAcid Houseが最高で、まさにセカンド・サマー・オブ・ラブの雰囲気がーとか言うのは他でやるから。

とにかく、このクラウド(聴衆)のダンスを観て欲しい。

みなが想い想いに、型にはまらずに踊っている。そして、意識的にDJブースの方を観ている人がほとんどいない。とにかく、この空間を漂うグルーヴに自分の肉体を漂わせて、身体を動かしている。

DJも今のEDMみたいに意図的な演出(ドロップとか、ビルドアップとかな)をしていない。淡々と4つ打ちの基礎で舗装しつつ、時折アクセントとなるシンセを投げかけている。


そして、現在これを観ている世界中の人々がYoutube上でコメントしているんだけど、その内容が素晴らしくて、

These are the people who exactly enjoyed partying. Today everyone just need to post status on social media.
No color, no cliques, no flags.just people straight up vibing to the music and that generation didn´t need shitty lights and dumb costumes to create an epic experience. DJ also just dropping one banger after another without the whole crowd facing him like a messiah that you see today. They did this party thing way better.
There's more real dancing in this video than all the Boiler Rooms put together.
One thing that always strikes me about the difference of then and now.... we danced together, NOT FACING THE DJ booth.
Living in the moment, not living for social media...


今必要なのは、こういうことなんじゃないの?人種、性別、年齢にとらわれず、グルーヴに身を任せて誰の目を気にすることなく、自分の内面から外側の波に向かって溢れ出る共振へのエネルギーを放出していく。結果として、身体が揺れる。

そのゆらぎが集まって、時折、意図しないものすごいうねりを引き起こす。そのうねりが帰ってきた時に、僕らは時空を溶け出すような感覚に包まれる。それは、”Illegal”だろうがそうじゃなかろうが、身を任せれば得られるものだった。


こういう世界じゃなかったっけ?
僕らが住んでいたのは。


毎日SNSは「こうあるべき」だとか「彼がすごい」、「彼女があのレベルまで行った」とか、「上場した」だの「バリュエーションが」とかさ。どうでも良いよ。彼・彼女たちがやっていることは否定しないけど、勝手にやっていてくれよ。

みんなひとりひとりが持っているもので揺れたら良いのに、固有振動数じゃない振動で揺れさせられる。結果、うまく踊れないこの世の中って、ボイラールームの動画で観られる不思議なマスゲーム的光景と一緒だよね。

自分のリズムで踊れないのに踊り続けていたらいつかその個体は壊れてしまう。そこには共振もない、グルーヴがないってことだよ。なんとなくかっこいい雰囲気の冷たい何か、があるだけ。


そういう世界を望んでるの?

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