四方対象/グレアム・ハーマン
2018年もいろんな本を読んだ。
ちょうど1年前の年末年始にかけて読んだのはゲーテの『ファウスト』(書評)だった。19世紀初頭に書かれた、この作品はあらためて近代という、人間と世界のあいだに亀裂が認識された世界が明確に描かれていた。
「ありとあらゆる道徳観念が、耐えがたいまでの重荷を負わされ」、「たえず、神の権威と、直接、関係づけられ、「罪という罪は、極微小の罪にいたるまで、宇宙世界と関係づけられる」と書くホイジンガの『中世の秋』(書評)やジョルジョ・アガンベンの『スタン